予想外のイベントで弱含む展開

先週は金利上昇がマーケットの重石となりました。予想を超えるインフレ指標の発表が理由なのですが、3月8日(金)には4.034%であった米国10年債利回りは、先週末には27ベーシスポイント(0.27%)上昇し、2月末のレベルである4.306%まで上昇しました。

インフレ指数の発表に加え、米国におけるガソリン在庫の落ち込みが市場の予想を超えたことや、ウクライナによるロシアの精製所への攻撃により、原油価格が3月14日(木)に2023年11月6日ぶりに80ドル台へ上昇したことも理由の1つです。

このような状況の中、S&P500は3月12日(火)にも史上最高値を更新したのち、15日(金)の引けまで1.1%下がる展開となりました。先週1週間ではS&P500は0.13%下落、金利の上げに弱いグロース株の集合体指数であるナスダック100や小型株指数のラッセル2000はS&P500をアンダーパフォームし、それぞれ1.17%、2.08%下げたのです。S&P500は2週連続の下げで、これは2023年10月以来初めてのことです。

2023年第4四半期の決算終了 次回もITセクターが史上を牽引する予想

2023年第4四半期の決算発表も終了しましたので、来月4月半ばまでは基本的に業績関連のニュースが不在の期間に入ります。ですから、企業のニュースとは関係のないところでマーケットは動きやすい環境となります。

今回のS&P500の企業業績は最終的に前年同期比で8.17%増でした。次回(2024年第1四半期)については、現時点では前年比で4.13%の増益予想となっています。

内容を見ると、次回のS&P500のITセクターの伸びは前年比19.2%の予想(前期は24%増)となっており、引き続き米国株市場を牽引しているのはテクノロジー企業です。ITセクターの中でも最も業績の伸びが期待されているのは半導体セクターで67.9%の増益が予想されています。

今週の注目はエヌビディア[NVDA]のテクノロジー・コンファレンス

今週の米国株市場での注目は、そのエヌビディア[NVDA]のGPUテクノロジー・コンファレンスでしょう。生成AIといえばエヌビディアの名前が出てくるくらいAIとの親和性が高い同社は、ここ1年の業績発表では毎回マーケットの予想をこれでもかと大きく上回り、株価も上昇してきました。

3月18日(月)には、同社のジェンスン・ファンCEOによる基調講演が予定されています。市場参加者の期待の高い同社CEOのスピーチの内容はエヌビディア株だけでなく、半導体銘柄、そしてナスダック、市場全体を動かす可能性があるため、サプライズがあるか否かは要注意です。

また、3月20日(水)には、今回利下げもなければ利上げもない(政策金利が変更されず、据え置かれる)ことをマーケットは分かっているFOMC(連邦公開市場委員会)の発表もあります。現時点でマーケットは、2024年後半の利下げは3回と見ていますが、ひょっとすると2回かもと、見極めの機会となるかもしれません。

※3月25日、4月1日は筆者の都合により、岡元兵八郎の米国株マスターへの道は休載となります。次回の更新は4月8日の予定です。