週明けの日経平均は大幅反落でスタート
先週末の米国株市場は下落した。特にフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%安となるなど半導体株に利益確定売りが優勢になった。エヌビディア[NVDA]は一時900ドル台後半と上場来高値を更新したが、利益確定売りに押され7日ぶりに反落し、5%超も下げて終えた。これらを受けて週明けの日経平均は大幅反落で始まりそうだ。
加えて円高も日本株相場の重石になる。先週末のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続伸し、1ドル147円05~15銭で取引を終えた。この日発表された2月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比27万5000人増と市場予想(19万8000人増)を上回った。一方、失業率は3.7%から3.9%に上昇し、平均時給の前月比は0.1%と市場予想(0.2%)を下回った。この雇用統計の結果を受けて円買い・ドル売りが加速、一時は146円48銭と2月上旬以来の円高・ドル安水準を付けた。
日銀が早期にマイナス金利政策を解除するとの観測も円高の背景にある。先週、日銀のマイナス金利解除観測を巡る一部報道を受け、18~19日に開く金融政策決定会合で政策修正するとの思惑が強まったことから円高が進み、株が下げ足を速める場面があった。
日本は13日の春闘回答日、米国は12日の消費者物価指数(CPI)に注目
その観点から今週の注目材料は、13日の春季労使交渉(春闘)の集中回答日だ。市場の期待通りの高い賃上げ率となれば、日銀のマイナス金利解除の可能性が一段と高まり、円買いの動きが強まるかもしれない。
その前に12日発表の米国の消費者物価指数(CPI)も注目である。前回は市場の予想ほど伸びが鈍化せず、早期利下げ観測が後退したが、今回は順調に伸びが鈍化する見込み。米国株にはプラス材料だが、それはまた円高材料にもなり得る。12日の米CPI~13日の春闘回答日にかけての円高進行に警戒したい。
今週は先高観の強さを見極める相場展開になるだろう
今週は日経平均で3万8000円台まで下押す場面がありそうだ。89年末につけた3万8915円が心理的に意識されるだろう。その水準は一瞬で通過し、3万9000円台から4万円の大台まで駆け上がった相場である。下げたところでどれだけ押し目買いが見られるか。相場の先高観の強さを見極める週となりそうだ。
予想レンジは3万8500円~4万500円とする。