東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。240円高の40,331円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で381円高の40,472円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時40分前にマイナスに転じ下げ幅を大きく広げ、後場に入り14時40分過ぎには572円安の39,518円まで下落しました。その後節目の39,500円を前に下げ渋ると引けにかけてやや戻しましたが、上値は重く結局492円安の39,598円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日銀が3月18日と19日に開く金融政策決定会合で、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通しと伝わったことで大手銀行株が堅調でした。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時2.2%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.9%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が一時2.6%高、三井住友トラスト・ホールディングス(8309)が一時4.5%高、りそなホールディングス(8308)も一時3.7%高となり、揃って昨年来高値を更新しています。カプコン(9697)も一時4.3%高となりました。2024年3月期の年間配当を従来計画から11円積み増し65円にすると発表したことや、1株を2株とする株式分割を発表したこともあり買いが優勢となりました。また、川崎重工業(7012)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時10.8%高となり昨年来高値を更新したほか、IHI(7013)も目標株価の引き上げを受けて一時4.8%高となっています。一方で一時148円前半まで進んだ円高を受けて自動車株が安く、トヨタ(7203)が一時3.4%安、日産(7201)が一時5.7%安、ホンダ(7267)が一時4.0%安、マツダ(7261)が一時6.5%安、SUBARU(7270)も一時5.4%安となりました。さらに半導体関連株の下げが目立ち、東京エレクトロン(8035)が一時4.5%安、SCREENホールディングス(7735)が一時6.8%安、アドバンテスト(6857)が一時4.5%安、ディスコ(6146)も一時4.0%安となり、東京エレクトロンとアドバンテストの2銘柄で日経平均を240円押し下げています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は492円安となりました。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けて年内の利下げ観測が強まり昨日の米国市場が反発したことから買いが先行し一時は380円以上上げる場面もありましたが、節目の40,500円を前に伸び悩むと148円前半まで進んだ円高もありマイナスに転じ40,000円の大台を割り込み下げ幅を広げました。しかし、大きな下げとなったものの昨日時点で25日移動平均線との乖離率が5%超となっていたことからすると本日の下げは必要なスピード調整とみることもできそうです。なお、日本時間の22時15分に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、22時30分には米新規失業保険申請件数や10-12月期の米労働生産性指数改定値などが発表される予定です。また、8日午前0時にはパウエルFRB議長が米上院銀行委員会で証言を行う予定です。さらに明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)