下落トレンドが続くも、春節前後を機に大幅続伸

2024年2月5日~3月4日までの中国本土市場・香港市場の騰落率ですが、上海総合指数は+12.5%、香港ハンセン指数は+7.0%と大幅な反発となっています。

これまでの株価の流れを長期目線で振り返ると、2023年12月1日より香港市場は安値を更新し続け、2023年末は少し反発して終えるも、50日移動平均線を回復できず、下落トレンドが続きました。

2024年年初から再び下げ圧力が強まり、連日のように大幅安を続け、1月22日には2022年10月末の安値に迫りました。ハンセン中国企業株指数(H株指数)は5,000ポイントを割り込み、売りが売りを呼ぶような相場展開でした。

しかし、翌1月23日から状況が少しだけ変わります。中国当局の市場救済策への期待が浮上し、大幅に3日続伸したのです。ただ、具体的な対策が乏しく、中国本土市場は2月2日に5年ぶりとなる安値をつけるまで一段と大きく下がっていきました(香港市場は新たな安値を更新せず)。

ここでようやく中国当局は重い腰を上げるように本格的に動きはじめ、春節前の2月8日までに中国本土株は3日続伸し、期待が芽生えつつありました。香港市場もこのような中国本土株の動きを好感し、株価の50日移動平均線越えを伺っています。

また、春節後も連日のように出る株価対策を好感し、中国本土市場の大型300株で構成されるCSI300指数は、2月23日までに2018年以来となる9日続伸となりました。ハンセン中国企業株指数も2月6日、14日、16日と売買代金を大きく増やしながら大幅上昇し、50日移動平均線を株価が上抜けました。

そして、2月21日にはハンセン中国企業株指数は50日移動平均線より上の位置から、さらに+2.24%で一段の大幅上昇し、売買代金も前日より6割近くも増え、50日移動平均線越えを決定的としました。

国家隊が株価を支える状況、2015年のバブル崩壊時と同様の施策ながらその効果は?

中国本土市場のCSI300指数が5年安値をつけた2月2日、上海・深セン合わせた信用取引残高が激減しました。これは信用取引の追証が数多く発生したためで、強制手仕舞いによるパニック売りの様相でした。

翌営業日の2月5日も同指数は一時2%下げましたが、何とか終わりまでに戻したものの、小型株で構成されるCSI1000指数は前日比-6.2%も下げ(一時は8.7%安)、中国当局は危機感を強めたと思います。

その翌日には、習近平国家主席が資本市場の状況と政策について、管轄である中国証券監督管理委員会より説明を聞き取るとのニュースが流れました。同時に中国当局は悪質な空売りを厳しく取り締まると警告し、政府系ファンドがETFの買い支えを拡大するとの発表もありました。さらに、監督当局のトップが更迭・交代され、中国当局が本腰を入れて証券対策に動いたと思われます。連日のように「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドの買い増しや空売り対策が発表され、支援策が市場の空気を変えました。

中国当局は主要機関投資家に対し、寄付きと大引け間際に株式の売り越しをしないよう指示。また、最大の問題である不動産市場を支えるため、住宅ローン金利の指標を引き下げ、同時に不動産開発のホワイトリストを作成し、銀行に融資を促してもいます。

このような状況は過去にも見覚えがあり、2015年前半に起きた中国株バブルが同年夏に崩壊した際も、国家隊が買い支え、売りを規制するという対策が出ていました。本来、自由な取引で値が決まる株式市場からすれば、機能不全とも言えるもので、最終的には自由な売買が再開された時に市場参加者は買い続けるのか疑問です。

それでも2015年の時も、効き目は劇的ではありませんでしたが、とりあえず一旦下げは止まったものでした。空売り規制や国家隊の買い支えが株式市場の本格的な上昇に繋がるとは思いませんが(最終的には経済回復を果たす必要あり)、何とか下げを止めるという意味で、今回も1月が底になった可能性があると意識できると思います。

1月の深い下げで底打ち感があると同時に反発に持続力が感じられます。この後、200日移動平均線を回復できれば、ようやく長いトンネルを抜け出せたと言えるようになります。

なお、2015年の中国バブル崩壊時の国家隊による買い支えは、大型株が中心でしたが、今回は小型株にも国家隊の買いが向かっていると伝わり、出来高も急増していることから、前回以上の強力な措置が取られていると思います。