【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,996.39 △47.37 (2/29)
NASDAQ: 16,091.92 △144.18 (2/29)
1.概況
米国市場は1月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率が市場予想並みとなったことでインフレへの過度な警戒感が薄れ、ハイテク株を中心に買いが入り反発となりました。64ドル高でスタートしたダウ平均は直後に125ドル高を付けた後伸び悩むと昼前に139ドル安まで下落しましたが、その後下げ渋ると引けにかけて買いが優勢となり結局47ドル高の38,996ドルで取引を終え4日ぶりに反発となっています。また、S&P500株価指数が26ポイント高の5,096ポイントと反発し、2月23日に付けた史上最高値(5,088ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も144ポイント高の16,091ポイントと反発し、2021年11月19日に付けた史上最高値(16,057ポイント)を更新しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件増の21万5000件となり市場予想以上に悪化しました。2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も44.0と前月から低下し市場予想を下回りました。1月の米中古住宅仮契約指数も前月比4.9%低下の74.3となり市場予想を下回りました。1月の個人消費支出(PCE)も前月比0.2%増となり市場予想を下回りました。1月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.4%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想と一致しています。また、エネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比2.8%上昇とこちらも前月から伸びが鈍化し市場予想と一致しました。一方で1月の米個人所得は前月比1.0%増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、コミュニケーション・サービスと情報技術が1%以上上昇したほか、一般消費財・サービスも1%近く上げています。一方でヘルスケアと生活必需品、金融の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース[CRM]が3%高となったほか、インテル[INTC]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も2%以上上げています。マイクロソフト[MSFT]とダウ[DOW]、キャタピラー[CAT]、ハネウェル・インターナショナル[HON]も1%以上上昇しています。一方でウォルマート[WMT]とボーイング[BA]、アムジェン[AMGN]、ゴールドマン・サックス[GS]、ビザ[V]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体が高く、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が9%余り上げ、ウエスタン・デジタル[WDC]も3%を超える上昇となりました。テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%以上上げ、エヌビディア[NVDA]も2%近く上昇しています。また、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も5%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い4.25%となりました。ドル円は150円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でのハイテク株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が2月27日に付けた史上最高値(39,239円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の10時30分には中国で製造業と非製造業の2月の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)