モトリーフール米国本社 – 2024年2月12日 投稿記事より

キャシー・ウッド氏のポートフォリオ、約4割が7銘柄に集中

キャシー・ウッド氏は、すべての卵を1つのバスケットに入れてはいけないという昔からのアドバイスに従っています。同氏が率いるアーク・インベストメント・マネジメント(以下、アーク社)が運用するすべてのファンドを合計すると、保有銘柄は120を上回ります。

しかし、著名投資家であるウッド氏も保有銘柄数ほど分散投資しているわけではなく、アーク社のポートフォリオ全体の37%が、以下の7銘柄に集中しています。

コインベース[COIN]

ウッド氏の現時点での最大の保有銘柄は、コインベース[COIN]です。暗号通貨取引プラットフォームを運営する同社は、アーク社のポートフォリオ全体の約6.9%を占めています。

ウッド氏は2023年に、ビットコインの価格がいずれ100万ドルに到達するという予想を改めて示しました。この予想が正しければ、コインベースは将来的に驚異的な成長が見込まれます。ただし、ウッド氏はここ数ヶ月の間に、数百万株ものコインベース株を売却しています。

テスラ[TSLA]

ウッド氏の保有銘柄の上位にテスラ[TSLA]が入っていることは驚くことではないでしょう。電気自動車(EV)メーカーである同社は現在、アーク社のポートフォリオの6%と、2番目に大きいポジションを占めています。

ウッド氏は以前から、テスラに対して強気を表明しており、2023年には、同社が「人工知能(AI)に投資する世界最大のチャンスである」と述べました。アーク社が2023年に発表したレポートでは、テスラの株価が2027年までに、現在の株価の10倍以上である2,000ドルに到達する可能性があると予測しています。

ロク[ROKU]

ストリーミングサービスを提供するロク[ROKU]は、アーク社のポートフォリオの5.8%を占めています。ウッド氏は直近数ヶ月間にロクの株式を売却していますが、依然として3番目に大きいポジションです。

ウッド氏はロクに対する熱が冷めてしまったのでしょうか。そうではないでしょう。最近の売却はおそらく、利益確定やポートフォリオの微調整によるものと思われます。

ユーアイパス[PATH]

ユーアイパス[PATH]はおそらく、最近のウッド氏がテスラの次に強気なAI関連銘柄と言えるでしょう。同社はロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)ソフトウェア開発におけるリーダー企業であり、現在はアーク社のポートフォリオの5.6%強を占めています。

アーク社はユーアイパスについて、「AI界に突然現れた大波」の1つと表現しています。超大型株ばかりで構成される「マグニフィセント・セブン」銘柄ほど投資家から注目されていませんが、ウッド氏やアーク社は、ユーアイパスのRPA技術が今後数年間で世界中の大企業に急速に浸透すると考えています。

ブロック[SQ]

ブロック[SQ](旧スクエア)は、ウッド氏が保有する中で最上位のフィンテック企業であり、アーク社のポートフォリオの約5.2%を占めています。

アーク社は2023年終盤以降、ブロックのポジションをやや削減していますが、ウッド氏は依然として、同社が長期的に銀行業界を破壊すると確信しているようです。

CRISPRセラピューティクス[CRSP]

遺伝子編集のパイオニアであるクリスパー・セラピューティクス[CRSP]は、アーク社が保有する上位7銘柄の中で唯一のバイオテクノロジー銘柄であり、ポートフォリオの約3.9%を占めています。

最近、Casgevyが鎌状赤血球症および輸血依存性ベータサラセミアの治療薬として当局に承認されたことで、クリスパー・セラピューティクスはようやく、最初の製品を市場に投入することになりました。ウッド氏は他の疾患、特にがんをターゲットにした同社の遺伝子編集プログラムに大きな期待を寄せているはずです。

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ[ZM]

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ[ZM]は、アーク社のポートフォリオの約3.7%を占めています。同社の株価は、新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウン期間中に急騰しました。しかし、ウッド氏の購入は間が悪く、同氏がズーム株を初めて購入したのは2020年第4四半期で、株価がピークに近い頃でした。それ以降、ズームの株価は大きく落ち込んでいます。

とはいえ、ウッド氏は株価が好調な時だけのにわかファンではないようで、2023年第4四半期にもズーム・ビデオ・コミュニケーションズの株式を追加購入しています。

選りすぐりの1社は、全体的に割高な株式市場において魅力的なバリュエーションを提供

ウッド氏の上位保有銘柄7社の中から1社を選ぶとしたら、ブロックが有力候補かもしれません。バリュエーションが高い銘柄がひしめく株式市場において、ブロックは、利益成長性に対するバリュエーションを測る指標であるPEGレシオが0.86と、魅力的に見えます。ブロックの2つの中核プラットフォーム(スクエアとキャッシュ・アプリ)には大きな成長が見込まれます。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

元記事の筆者Keith Speightsは、ブロックの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はブロック、クリスパー・セラピューティクス、コインベース、ロク、テスラ、ユーアイパス、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの株式およびビットコインを保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。