今週(2月2日~2月8日)の相場動向
相場回顧 BTC:米国株が史上最高値を伸ばし続ける中で急騰
ビットコインはBTC=638万円(43,000ドル)付近でもみ合いの展開が継続した。米国で1月雇用統計やISM関連指数が強い内容となったことを受けて3月利下げ観測が一段と後退し、米国株とともに売りが強まる場面も見られた。しかし、全体的に好調な企業決算を見て米国経済のソフトランディングを期待した買いも入り、相場は底堅く推移した。
2月5日には決算発表の中でマイクロストラテジー[MSTR]が1月にビットコインを買い増ししたことを発表し、ブラックロックらのビットコイン現物ETFがグーグルに広告掲載されていることが話題となった。2月6日にはソラナで約1年ぶりに一時的なネットワーク障害が発生したが、相場への影響は限定的となった。
その後、2月7日には米国株の続伸により、先進国銘柄で構成されるMSCI世界株価指数が過去最高値を更新し、このようなリスクオンが強まる状況でビットコインはBTC=661万円(44,500ドル)付近まで急騰した。イーサリアムが大型アップデートの最終テストを無事に完了し、イーサリアムが強い値動きになったことも価格を押し上げた。
来週(2月9日~2月15日)の相場予想
BTCは米国株の最高値更新とともに買いが継続するか、金からビットコインへのシフトも進行か
米国では経済指標や企業決算の好調さを受け、早期利下げ観測が後退している一方で、ソフトランディングへの期待が高まっている。このような中、来週は1月消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、米連邦準備制度理事会(FRB)が掲げる2%の目標に向けて鈍化した場合は、米国株の最高値更新とともに暗号資産も買いが継続することが考えられる。逆にインフレが高止まりする結果となった場合には上値の重い展開になるだろう。
ビットコイン現物ETFについてはブラックロックとフィデリティの商品を中心に資金流入が続いており、米国のETF全体でも上位の人気を誇っている。アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッドCEOは「金からビットコインへのシフトが進行している」と指摘しており、その傾向が拡大するようであれば中長期的に価格を押し上げる可能性がある。今後は金とビットコインの逆相関が強まるのかにも注目したい。
またイーサリアムが大型アップデート「Dencun」の最終テストを無事に完了し、いよいよメインネットでの実装が注目されている。現状では2月末から3月初旬で予定されており、その期待でイーサリアムが強い値動きとなればビットコインも連れ高するだろう。
直近、上値として2024年1月の高値付近であるBTC=728万円(49,000ドル)、下値として2024年2月レンジの底値付近であるBTC=624万円(42,000ドル)を意識する。