上場来最高の四半期売上高、配当実施も発表

米メタ・プラットフォームズ[META](以下、メタ)が2024年2月1日に発表した2023年10-12月期の決算は、売上高が前年同期比25%増の401億1100万ドル(約5兆9600億円)で、4四半期連続の増収となった。増収率は2021年10-12月期以降で最大。前四半期に続き上場以来最高の四半期売上高を達成した。売上高の95%超を占めるインターネット広告事業が好調だった。

純利益は同3倍の140億1700万ドル(約2兆800億円)。1株利益は5.33ドル(前年同期は1.76ドル)で、売上高と共に市場予想を上回った。同社初となる配当実施も併せて発表した。2024年3月26日に1株当たり0.5ドルを支払う。決算を受け、翌2月2日の米株式市場でメタの株価は20%以上上昇した。

【図表1】メタ、売上高が過去最高の400億ドル 4四半期連続の増収を達成
 

インターネット広告24%増収、利用者数8%増加

インターネット広告事業の売上高は387億600万ドル(約5兆7500億円)となり、前年同期から24%増加した。グループ全体のサービスの2023年12月における日間アクティブ利用者数は31億9000万人で、前年同月から8%増えた。SNS(交流サイト)「Facebook(フェイスブック)」の日間アクティブ利用者数は21億1000万人で同6%増加した。

事業部門別売上高は、ネット広告とアプリ関連サービスを合わせた「Family of Apps(ファミリー・オブ・アプス)」が前年同期比24%増の390億4000万ドル(約5兆8000億円)。次世代コンピューター基盤と位置付けるメタバース関連事業「Reality Labs(リアリティー・ラボ)」は10億7100万ドル(約1590億円)で同47%増加した。同事業の営業損失は46億4600万ドル(約6900億円)で、赤字額は拡大した(前年同期は42億7900万ドルの赤字)。

広告売上高、世界全地域で2桁成長

世界の地域別ネット広告売上高は、前四半期に続きすべての地域で2桁成長を達成した。米国・カナダは前年同期比19%増の177億8400万ドル(約2兆6400億円)。欧州は同33%増の91億5900万ドル(約1兆3600億円)、アジア太平洋地域は同23%増の73億1600万ドル(約1兆900億円)だった。アフリカなどその他の地域は同32%増の44億4700万ドル(約6600億円)だった。

【図表2】メタの地域別ネット広告売上高 世界全地域で2桁増
 

ザッカーバーグCEO「AIとメタバースで進展あった」

メタのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は声明で、「我々のコミュニティとビジネスが成長し続けており、良い四半期となった。AI(人工知能)とメタバースの進化に向けた我々のビジョンにおいて、多くの進展があった」と述べた。

メタも他のIT(情報技術)大手同様にAI開発に力を入れている。2023年12月には、同社と米IBM[IBM]が、AIの開発や利用を促進するための新たな団体「AI Alliance(AIアライアンス)」を設立した。誰でも自由に利用・改変できる「オープンソース」により、生成AIの開発を加速させる狙いだ。50以上の企業や研究機関などが参加しており、日本からもソニーグループ(6758)やソフトバンク(9434)の生成AI開発子会社SB Intuitions、東京大学、慶応義塾大学などが加わった。

1ドル=148.48円で換算