モトリーフール米国本社、2024年1月28日 投稿記事より

主なポイント

・ヌー・ホールディングスとレナーは、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオに含まれる数十に上る上場銘柄の中の2つである
・ヌー・ホールディングスは、力強い成長性と健全な収益性を実現している
・バークシャー・ハサウェイが保有する住宅建設企業はレナーだけではないが、レナーは地域的に有利であり、PERは低い

思いもよらないバフェット株に追い風が吹いている

伝説の投資家であるウォーレン・バフェット氏は有名ですが、同氏が率いるバークシャー・ハサウェイ[BRK.B]のポートフォリオに含まれている銘柄は有名企業ばかりではありません。今日は、ブラジルのフィンテック企業であるヌー・ホールディングス[NU]とフロリダ州を本拠とする住宅建設企業レナー[LEN]について紹介します。

バークシャー・ハサウェイ自体の株価は高額ですが、同社のポートフォリオの中には少額で投資できる銘柄も多く含まれています。300ドルの投資資金があったら、ヌー・ホールディングスとレナーを検討リストに加えてみてはいかがでしょうか。

ヌー・ホールディングス[NU]:ブラジル成人人口の半数が口座を保持する南米の金融サービス大手

バークシャー・ハサウェイが保有する数十銘柄の中で、特に意外で印象的な銘柄の1つがヌー・ホールディングスです。ブラジルのデジタル銀行ヌーバンクの親会社である同社は、わずか10年前に設立されたばかりですが、爆発的に成長しており、すでに中南米3ヶ国で9,000万を超える口座が開設されています。2023年第3四半期にはとても大きな目標点をクリア、つまりブラジルの成人人口の半数以上がヌー・ホールディングスに口座を保持するに至りました。

ヌー・ホールディングスはフィンテック企業としてスタートし、ブラジルの若年層向けにハイテク技術を取り入れたクレジットカードを発行していましたが、その後、個人向けローンや銀行口座へ事業を拡大しました。最近では、保険、給与ローン、暗号通貨取引など、あらゆるサービスを幅広く提供しています。商品ラインアップすべてに賛成する必要はありません。バフェット氏が暗号資産について快く思っていないことも知っています。しかし、同社はこれまで銀行サービスが浸透していなかった地域で、金融サービスの大手企業に成長してきました。

ヌー・ホールディングスは今、絶好調です。第3四半期の売上高は、為替調整後で前年同期比53%増となりました。口座数はこの1年間で27%増という驚異的な伸びを示しています。さらに、アクティブな顧客1人当たりの平均売上高は前年同期比で18%増加しました。

これほどの急成長を遂げているフィンテック企業の多くは、小規模であったり、または損失を生み出していたりしますが、ヌー・ホールディングスは5四半期連続で利益を計上しています。新たな領域に進出したり、製品ラインアップを拡充したりする中でさえ、利益率は上昇しています。これまでの成長ストーリーは売上高が中心でしたが、ここにきて利益成長が勢いを増しつつあります。アナリスト予想によると、2024年の増収率は35%に減速する見通しですが、1株当たり利益(EPS)は67%増が見込まれています。

バークシャー・ハサウェイは、ヌー・ホールディングスが2021年に新規株式公開(IPO)する前に同社に投資し、まだ保有しています。株価は2023年に2倍以上に上昇しましたが、依然として10ドル未満であり、個人投資家でも手の届く水準です。300ドルあれば充分に投資できます。

レナー[LEN]:供給不足の米国中古住宅市場からシフトした需要、新築住宅を提供する

2023年の不動産市場は、住宅建設業者以外にとっては困難な展開となりました。高水準の住宅ローン金利により、すでに低金利でローンを組んでいる住宅所有者は身動きが取れませんでした。中古住宅の供給は不足し、その結果、レナーをはじめとする住宅建設会社が提供する新築住宅に需要がシフトしました。

レナーの2023年度(2023年11月期)は好調な締めくくりとなりました。新規受注が32%増加したこともあり、第4四半期(9-11月期)は増収増益でした。2024年度の引き渡し件数は前年比10%増が見込まれています。2024年後半に金利が低下すれば、中古物件が大量に市場に出回るかもしれませんが、販売価格が全体的に上昇する可能性もあります。

レナーの実績株価収益率(PER)は11倍未満であり、妥当なバリュエーションです。1月に増配と自社株買いの拡大を発表したばかりです。住宅建設は景気の影響を受けやすい業界ですが、力強い市場エリアでの同社の存在感から、レナーにとって2024年も好業績が続くと思われます。

免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rick Munarrizは、ヌー・ホールディングスの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイ、レナーの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社はヌー・ホールディングスの株式を推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。