【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,049.13 △242.74 (1/25)
NASDAQ: 15,510.50 △28.58 (1/25)
1.概況
米国市場は米GDPが市場予想を上回る伸びとなったことで米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待が高まり上昇しました。56ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に230ドル高余りまで上昇した後伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じました。しかし、9ドル安で下げ渋ると持ち直し引けにかけて上げ幅を広げ結局242ドル高の38,049ドルで取引を終え、22日に付けた史上最高値(38,001ドル)を3日ぶりに更新しています。また、S&P500株価指数も25ポイント高の4,894ポイントと6日続伸となり連日で史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント高の15,510ポイントとこちらも6日続伸となり連日で昨年来高値を更新しています。
2.経済指標等
10-12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比3.3%増となり市場予想を上回りました。12月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比8.0%増の66万4000戸となり市場予想を上回りました。一方で12月の米耐久財受注額は前月から横ばいとなり市場予想を下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比2万5000件増の21万4000件となり市場予想以上に悪化しています。また、欧州中央銀行(ECB)は理事会で政策金利を3会合連続で据え置くことを決めています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスと公益事業も2%近く上げました。また、不動産と素材も1%以上上昇しています。一方で一般消費財・サービスとヘルスケアの2業種が下げ、一般消費財・サービスは1%安となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでも決算が市場予想を上回ったIBM[IBM]が9%を超える上昇となったほか、ダウ[DOW]とキャタピラー[CAT]、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]も3%以上上げました。スリーエム[MMM]も3%近く上昇し、シェブロン[CVX]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]も2%以上上げています。一方で投資判断の引き下げを受けてボーイング[BA]が5%を超える下落となり、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]も決算を受けて急落した同業のヒューマナ[HUM]に連れ安となり4%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外は半導体製造装置のラム・リサーチ[LRCX]が市場予想を上回る決算を受けて目標株価の引き上げが相次ぎ2%余り上昇しています。また、アメリカン航空グループ[AAL]も決算を好感した買いで10%以上上げています。テスラ[TSLA]は決算で売上高などが市場予想を下回り、目標株価の引き下げが相次いだことから12%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い4.12%となりました。ドル円は147円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は短期的な過熱感が強いことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の36,000円を前に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)