東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。58円高の36,605円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに330円高の36,877円まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、前引けにかけて上げ幅を広げると373円高の36,920円で前場を終えました。昼休み時間中に発表となった日銀の金融政策決定会合の結果を受けてさらに上げ幅を広げ424円高の36,971円でスタートした後場の日経平均は直後に437円高の36,984円高まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じ13時前に110円安の36,436円まで下落しました。その後下げ渋ると持ち直しプラスとなる場面もありましたが、上値は重く結局29円安の36,517円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

京セラ(6971)が一時5.1%高となり昨年来高値を更新しました。時価で約1兆7000億円分を政策保有するKDDI(9433)株の具体的な活用策について、銀行借り入れの担保にするとしていた従来方針を見直し、一部の売却も視野に入れ2024年秋に方針を明らかにすると伝わったことから資本効率の改善を期待した買いが入りました。LIXIL(5938)も一時5.3%高となりました。第3四半期の継続事業に係る事業利益の見込み額が前年同期比28.6%増の270億円になったと発表したことに加え、国内大手証券が目標株価を引き上げたこともあり大幅高となりました。村田製作所(6981)も一時2.7%高となり昨年来高値を更新しました。島根県安来市に新工場の建設を検討していることが分かったと伝わったことで生産能力の増強に伴う収益貢献を期待した買いが入りました。霞ヶ関キャピタル(3498)も一時5.9%高となりました。投資信託の「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークス(7330)の保有比率がこれまでの5.76%から8.19%にまで上昇していることが明らかになったことで大幅高となりました。一方でインキメーカーのT&K TOKA(4636)が4.7%安となりました。米投資ファンドのベインキャピタルの子会社がT&K TOKAに対する株式公開買い付け(TOB)を23日から始めると発表しましたが、TOB価格が昨日の終値(1,476円)を下回る1,410円となったことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は29円安となりました。本格化する決算への期待から昨日の米国市場が続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したことから買いが先行しました。また、マイナス金利の解除を見送り大規模な金融緩和策の維持を決めた日銀の金融政策決定会合の結果が昼過ぎに発表されると後場寄り直後には437円高まで上げ幅を広げる場面もありましたが、節目の37,000円を前に伸び悩むと売りが優勢となりました。しかし、昨日時点で25日移動平均線との乖離率が7%超まで広がり短期的な過熱感が強まっていたことからすると必要なスピード調整だとみることもできそうです。なお、米金融大手を皮切りに米国企業の決算発表がスタートしていますが、23日もネットフリックス[NFLX]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、スリーエム[MMM]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)