今週(1月5日~11日)の相場動向

相場回顧 BTC:米国で現物ETFが承認されるも反応は鈍い

ビットコインは、米国でビットコインの現物ETFに関する憶測が飛び交う中、BTC=640万円(44,000ドル)を挟んでもみ合う展開となった。2023年12月の米雇用統計が市場予想を上回る内容となったことを受けて早期利下げ観測が後退し売りが強まる場面もみられた。

しかし、各社が現物ETFの承認日として予想する1月10日を前に底堅く推移した。1月8日にはブラックロックをはじめ申請企業がフォームS1の最終修正をSEC(米証券取引委員会)に提出したと報じられ、承認への期待からBTC=684万円(47,000ドル)付近まで急上昇した。米国の長期金利が低下し、ハイテク株を中心に強い値動きとなったこともビットコインの買いを後押しした。

1月10日早朝にはSECのXアカウントで現物ETFの承認が発表されBTC=691万円(47,500ドル)まで急騰したが、それがハッキングによる誤報だと伝わるとたちまちBTC=655万円(45,000ドル)付近まで急落した。誤報騒動で相場が一時的に混乱したが、1月11日早朝には11銘柄全ての現物ETFの承認が正式に伝わりBTC=691万円(47,500ドル)付近まで再び上昇した。

その後、ビットコインの現物ETFが承認されたことで他銘柄の現物ETF承認に対する期待も高まり、イーサリアムを中心に一部のアルトコインが急騰した。また初日の現物ETF出来高が好調となり一時BTC=713万円(49,000ドル)付近まで上昇したが、過熱感も意識されてたちまち急落した。

 

来週(1月12日~18日)の相場予想

BTCは現物ETFの商い次第では上昇に期待だが、過熱売りにも要警戒

米国では強い経済指標を受けて過度な利下げ観測が後退している一方で、インフレ鈍化により金利上昇は一服している。このような強弱材料が入り混じる中で米10年債金利は4%を割り込む水準まで低下しており、来週もこの傾向が続いた場合は株式と暗号資産ともに年始からの好調が継続するだろう。いずれにせよ今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは金利動向を除いて相場を左右する材料に乏しい展開を予想する。

米国ではついにビットコインの現物ETFが承認された。発表後に大きな反応はないが、各社ETFの取引開始から商いが盛り上がった場合には上昇の勢いを取り戻し、さらに価格を伸ばすことが期待される。一方、2024年1月11日付の特別レポートでも触れたように、これまで期待先行で急上昇してきたため短期的な調整局面を迎えることが懸念されており、よりリスクの大きいアルトコイン買いが加速した時には過熱売りを警戒した方がいいだろう。

直近、上値として節目となるBTC=727万円(50,000ドル)を意識する。下値としては年始の急落で記録したBTC=596万円(41,000ドル)を意識する。