過去の動きから考察する日経平均

日経平均株価の大納会・大発会前後の過去の動きを直近では5年平均や10年平均、2009年以降などで見ると、概ね12月は後半まで横ばいか調整ですが、最終週(図表真ん中のオレンジの部分)はしっかりと推移する傾向があるようです。

12月25日現在、12月は17営業日を経過したところですが、例年以上に振幅が大きいのがわかります。そういった意味では、この過去の推移が今後のヒントにはならないかもしれませんが、2024年は2023年のように好スタートを切ることができるかもしれません。以下で説明します。

【図表】大発会・大納会の前後の動き(日経平均株価)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

12月の日経平均株価の月足ローソク足は12月25日現在、「陰線」を形成しています。ただ、10月から下値を支えている9ヶ月移動平均線上で、陰線は陰線でも、下ヒゲの長い陰線で終える可能性が高くなってきました。11月は8.5%も上昇し、月足のローソク足は6月以来の「大陽線」を形成しました。12月の陰線は11月の「大陽線」の半分程度しかかぶっておらず、単なる反動安に過ぎないと捉えることができます。

2024年初は保ち合い上放れのシナリオ、その根拠とは?

9ヶ月移動平均線の上向き基調は1月も続くと推測できますので、12月は一息入れた分、1月は保ち合い上放れに繋がるシナリオがあると見ています。1月でなくとも、2024年前半にはあるでしょう。

その根拠として、2023年は年初の安値から年初来高値まで約8,000円程度、率にして31%程度上昇していますが、新型コロナショック後の上げ相場の上昇幅14,300円、上昇率87%よりも依然として小さいからです。

また、10年前の2013年から本格的に始まったアベノミクスの上げ相場も、踊り場を挟んで2015年6月頃まで12,600円程度上昇が続いた経緯があります。その点を踏まえると、トレンドが継続している以上、1月に好スタートを切れれば、2024年前半の上値余地は広がると見ています。