日銀会合の結果を受け大幅高へ、25日移動平均線上を維持できるか

前回のコラムでは、上放れるために「25日移動平均線上を回復して維持できないようですと、25日移動平均線が下向きに変化することが考えられるため、なるべく早く25日移動平均線上を回復して株価水準を切り上げる必要がある」と解説しました。

その後、週初から25日移動平均線に押し返されるとともに、5日移動平均線を下回ると、緩やかな上向きを続ける75日移動平均線に接近する場面がありました。

ただ、注目された日銀金融政策決定会合の結果、大規模緩和の維持が発表されると、発表当日の12月19日午後から株価は急騰し、一気に5日移動平均線と25日移動平均線を上回って終えているのが分かります。

さらに前回のコラムで解説したように、25日移動平均線を上回ったことから25日移動平均線の上向きが継続する格好となっています。

このような状況から、引き続き25日移動平均線上を維持するとともに、株価水準が切り上がるか、が今週の注目ポイントになりそうです。

仮に25日移動平均線上を維持するようですと、25日移動平均線の上向きが続くとともに、上向きに変化した5日移動平均線が25日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生して株価のサポートになることが期待されます。

またそうなれば、7月3日につけた年初来高値を更新して、年末高に向かうことが視野に入る反面、25日移動平均線上を維持できずに押し返されたり、25日移動平均線を割り込んで戻せなくなったりするようですと、75日移動平均線を下値目途としたもち合いに戻ってしまうことが考えられ、年末高への期待が後退することになります。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの水準も切り上げ

そのような中、上昇と下落の勢いを示すモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が上向きに変化しているとともに、モメンタムが上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っています。

そのため、モメンタムとシグナルの上昇が続くか、が今後の注目ポイントになると思われます。仮に2本線の上昇が続いて水準を切り上げるようですと、日経平均株価も25日移動平均線上を維持するとともに、高値更新の可能性が高まる反面、2本線が上昇しても限定的で下向きに変化したり、下向きに変化したまま0ラインを下回って低下したりするようですと、もち合いに戻ってしまうことが考えられ、売買タイミングに注意する必要がありそうです。

年末になると株高を期待して「掉尾の一振」という言葉がマーケットで聞かれるようになります。果たして年初来高値を更新して年末を迎えることができるのか、大事な局面に差し掛かっていると言え、株価水準とモメンタムの動きに注意する必要があると思われます。