25日移動平均線を上回って維持できるかが上昇トレンド回復のカギ
前回のコラムでは、「上向きの25日移動平均線上を回復して維持できるか」が反発のカギと解説しました。
また、「25日移動平均線上を回復しても下向きの5日移動平均線に押し返されて25日移動平均線を下回ったり、25日移動平均線を下回ったままで推移したりするようですと、5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生して、75日移動平均線辺りまで下落が続くことが考えられ、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に要注意です」とも解説しました。
そして、先週12月6日に一旦5日移動平均線を上回る場面がありましたが、翌営業日には5日移動平均線に押し返されて25日移動平均線を下回ると、12月8日には緩やかな上向きを続ける75日移動平均線を終値で下回るなど、解説した通りの値動きとなっているのが分かります。
しかし、その後は反発に転じ5日移動平均線と緩やかな上向きを続ける25日移動平均線に接近するなど、反発の値動きも見られます。そのような中、今後の値動きを移動平均線と株価の位置関係や移動平均線の向きからどのように判断すれば良いのでしょうか。
今後年末にかけて上昇トレンドを回復するためには、終値で25日移動平均線上を回復して維持する必要があると思われます。
なぜなら、25日移動平均線上を回復して維持できないようですと、25日移動平均線が下向きに変化することが考えられるからです。そのため、なるべく早く25日移動平均線上を回復するとともに、株価水準を切り上げる必要があります。
一方で、25日移動平均線上を回復しても維持できずに割り込んだり、割り込んだままで推移したりするようですと、株価の水準次第では、今月12月20日以降には25日移動平均線が下向きに変化することになるとともに、抵抗して株価の上値を押さえることが考えられます。
モメンタムの上昇が続くか、に要注目
では、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムの動きはどうでしょうか。
モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方を見ますと、2本の線は上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っていますが、上向きに変化しているのが分かります。また、水準もわずかですが切り上がっています。
そのため、2本線の上昇が続くかが注目ポイントです。仮に2本線の上昇が続いたり、0ラインを上回って維持したりするようですと、上昇の勢いが強まって25日移動平均線上を回復するとともに株価水準を切り上げることが期待されます。
しかし、12月6日のように株価が大幅高になってもモメンタムが0ラインをわずかに上回っただけで維持できずに低下したりするようですと、25日移動平均線上を回復して維持することができないばかりか、下落の勢いが強まって75日移動平均線に接近したり下回ったりすることが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。