先週キッシンジャー氏の話を書きましたが、その直後に亡くなられました。投資の神さまウォーレン・バフェットの盟友であるチャーリー・マンガー氏もその前日に亡くなられ、巨星二つ墜つ、という感じです。ご冥福をお祈りします。

さて、最近一番気になったニュースについて。先週ニューヨークタイムズに出た記事ですが、アボカドに関連したものです。元ネタは、クライメイト・ライツ・インターナショナルというNGOが出したレポートになります。アメリカ合衆国では、健康志向でアボカドの消費が大きく伸びてきた。その消費量の90%はメキシコから輸入されている。しかしアボカド栽培と輸出は儲かるので、メキシコ現地では森林を敢えて火災を起こして燃やしたり、大きな伐採をしたりして、元から在った木をなくして替わりにアボカドを植えているところが多い。

しかも違法に、ギャングが勝手に、或いは元の所有者を排除して、他人の山をそのようにしているケースが多い。加えて、アボカドは、例えば松の木に比べて14倍も水を要するので、元々その他の農作物のためにあった灌漑の仕組みを、これまた違法に乗っ取って、水を盗んでいるケースが多い。メキシコでの違法行為、人権蹂躙、環境破壊、の上に、アメリカのアボカド消費は成り立っている。しかしアメリカ政府も、アボカドを輸入している大手スーパー、ファストフードチェーンなども、見て見ぬ振りをしていると。酷い話です。然しながらこのニュース、大して注目を集めていないようです。人は、重要な話を聞くのではなくて、上手く説明された、上手く届けられた話を聞くのです。上記の話は、今のところそのように上手くは伝えられていません。この傾向は、日本よりもアメリカの方が強いように感じます。

うーむ。困ったものです。このような傾向、将来なおっていくでしょうか?AIの進化が、フェイクニュースを作ることではなくて、より重要なニュースをキュレーション(収集、整理、要約、公開、共有)してくれるようになるでしょうか?いや、そのようにしなければいけないと思います。今日のディナーで(出張でニューヨークに来ています)、前菜のひとつにアボカドが出て来たのですが、英語で、アメリカ人を中心とした皆さんに対して、ディナーをしながらの流れの中で、上に書いた話を上手く出来る気がしなくて、何も云わずに食べてしまいました。美味しかったけど、これではいけません!AIの前に、先ずは自分がキュレーションをしなければ。反省します!