東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。61円安の33,260円で寄り付いた日経平均は朝方の売り一巡後に持ち直すとプラスに転じましたが、16円高の33,337円で伸び悩むとマイナスとなり10時50分過ぎには160円安の33,161円まで下落しました。しかし、下げ渋ると後場に入って買いが優勢となり、引けにかけて上げ幅を広げると結局165円高の33,486円で取引を終え高値引けとなりました。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)が一時5.1%高となりました。技術説明会で市況回復や高性能メモリの需要増加基調により2024年のメモリ・テスタ市場が前年比で拡大する見込みが示されたことや、高速・大容量のデータ処理に対応するHBM(広帯域メモリー)用テスタの高い成長ポテンシャルが示されたことから大幅高となりました。トーヨーカネツ(6369)も一時8.3%高となり年初来高値を更新しました。通期の営業利益の見通しは下方修正されましたが、投資有価証券の売却益や固定資産の売却益の計上により24億円とみていた純利益の見通しを28億円に上方修正し、年間配当金も従来計画の150円から180円に引き上げたことで買いを集めました。また、目標株価の引き上げを受けてニチコン(6996)や日本ケミコン(6997)が高く、ニチコンが一時3.3%高、日本ケミコンも一時8.5%高となりました。
一方で伊藤園(2593)が一時9.7%安となりました。上期の営業利益の見通しを125億円から170億円に、通期の営業利益の見通しを210億円から232億円に上方修正したものの、下期の営業利益の見通しが85億円から62億円に下方修正となったことで売りが優勢となりました。ソフトウエア開発のACCESS(4813)も一時13.4%安となりました。米子会社を通じて通信事業者などに販売しているサーバー用ソフトウエアの減価償却費や人件費がかさんだことなどで第3四半期の営業損益が15億円を超える赤字となったことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は165円高となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいこともあって売りが先行し一時は160円安となる場面もありましたが、押し目買いが入り下げ渋ると持ち直し買いが優勢となり高値引けとなりました。そのため高値更新への期待は依然として高いといえそうで、師走相場のなかでどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時30分に米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する10月の米個人消費支出(PCE)物価指数や米新規失業保険申請件数が発表されるほか、23時15分には11月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)