東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。25円安の33,559円で寄り付いた日経平均は直ぐにプラスに転じると上げ幅を広げ9時20分過ぎに268円高の33,853円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むとマイナスとなり後場に入り13時過ぎに232円安の33,352円まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局197円安の33,388円で取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表した東京海上ホールディングス(8766)やSOMPOホールディングス(8630)が買われました。東京海上ホールディングスは保険契約が増えている海外事業が好調で7,500億円とみていた通期の経常利益の見通しを7,650億円に上方修正したことや、自己株式を除く発行済み株式総数の2.0%に相当する4,000万株、700億円を上限とする自社株買いを発表したことから一時8.4%高となり上場来高値を更新しました。SOMPOホールディングスも為替要因で海外事業が伸びることなどにより通期の営業利益の見通しを3,220億円から3,650億円に引き上げたことや、自己株式の消却を発表したことで一時4.4%高となりました。また、パナソニックホールディングス(6752)が先週末に続き大幅高となりました。車載部品を手掛けるパナソニックオートモーティブシステムズの株式の一部を米大手投資ファンドに売却すると発表したことを好感する買いが続いたほか、投資判断と目標株価の引き上げもあって一時7.3%高となっています。

一方で上期決算を発表したMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)が一時4.1%安となりました。自動車保険の損害率が悪化したことなどにより4,200億円とみていた通期の経常利益の見通しを4,000億円に下方修正したことから売りが優勢となりました。さらに円高を受けて自動車株が安く、トヨタ(7203)が3.9%安、日産(7201)が3.2%安、ホンダ(7267)が3.8%安、マツダ(7261)が6.1%安、SUBARU(7270)も3.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は197円安となりました。朝方には270円近く上昇し7月3日に付けた年初来高値(33,753円)を上回る場面もありましたが、買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮め売りが優勢となり後場に入って下げ幅を三桁に広げました。しかし、25日移動平均線との乖離率が先週末時点で5%超となり短期的な過熱感があったことからすると必要なスピード調整だとみることができそうで、地合いは大きく崩れていないといえそうです。なお、日本時間の21日午前0時には10月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)