モトリーフール米国本社、2023年10月29日 投稿記事より
主なポイント
・ウォーレン・バフェット氏は長年にわたり、コカ・コーラ[KO]の配当の恩恵を受けてきた
・コカ・コーラの足元の配当利回りは3%を上回る
・経営陣は先日、2023年通期の売上高と利益の見通しを引き上げた
急成長、潤沢な利益、増配など、嫌いになる理由が見当たらない
億万長者の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、配当銘柄が大のお気に入りです。同氏はバークシャー・ハサウェイ[BRK.B]の株主に宛てた最近の年次書簡の中で、配当株への投資を、過去数十年にわたる素晴らしいリターンをもたらした「秘伝のソース」と呼びました。
バフェット氏はその好例として、コカ・コーラ[KO]を挙げました。バークシャー・ハサウェイがコカ・コーラから受け取る年間配当金は、1994年には7,500万ドルでしたが、現在は7億ドルを超えています。同社はその間、コカ・コーラ株をただ保有し続けるだけで、莫大な現金を手にしてきました。バフェット氏には、コカ・コーラ株を売却してインカム源を手放す気はなく、「こうした配当はこれからも増え続ける可能性が極めて高い」と書簡の中で述べています。
今日コカ・コーラ株を買っても、今後数十年で同程度の驚異的な増配率を期待することはできないかもしれません。しかし、コカ・コーラ株がこれからも素晴らしいリターンをもたらす可能性は十分にあります。この高配当銘柄に注目する理由を探ってみましょう。
新旧ブランド資本の増価
コカ・コーラは、明らかなグロース銘柄です。主力の持ち歩き飲料分野での市場シェア上昇が寄与し、2023年第3四半期には既存事業で11%の売上高成長を達成しました。10月下旬には、2四半期連続で業績見通しを上方修正したばかりです。
コカ・コーラ・ゼロのような既存ブランドはもちろんのこと、お茶やエナジードリンクといった、同社の中では比較的新しいブランドも消費者から好評を得ています。複数の飲料分野で世界的に市場を支配している企業にとって、売上高を伸ばすのは難しいことではありません。10月下旬の決算発表でジェームズ・クインシーCEOは、「当社には市場をリードするブランドポートフォリオがあり、足元の市場で優位に立ちながら、同時に長期的な基盤を築くことができる」と述べました。
財務面の好調
コカ・コーラの財務を見れば、同社の配当が信頼できる理由が分かります。第3四半期の営業利益率は、為替の影響を考慮後で驚異の30%を維持しました。第3四半期累計期間の営業キャッシュフローは90億ドル、フリーキャッシュフローは80億ドルで、前年同期比で10%近く増加しました。
こうした着実な成長が、配当と自社株買いという株主還元の引き上げを支えています。コカ・コーラは60年連続で配当を引き上げており、直近でも3%の増配を実施しました。一方で、株価は年初来で低調なため、配当利回りは上昇しており、足元で約3.4%という水準となっています。
適正な株価
コカ・コーラの株価は、1990年代初めの頃ほど割安ではありませんが、現在もそれほど割高ではありません。株価売上高倍率(PSR)は6倍未満、株価収益率(PER)は23倍であり、どちらも3年ぶりの低水準に近くなっています。
短期的な株価パフォーマンスは、経済成長率、個人消費パターン、金利といった予測不可能な要因によっても左右されます。しかし、インカムを重視するのであれば、そうしたボラティリティよりは、市場をリードする地位、高い利益とキャッシュフロー、価値のあるグローバルブランドといった、コカ・コーラの長期的な競争優位性に注目したいところです。
過去数十年にわたって見られてきたように、これらの競争優位性によって販売量が伸び続ける限り、株式を保有し続け、四半期ごとに受け取る配当金を自動的に再投資するだけで、コカ・コーラ株はプラスのリターンをもたらし続けるかもしれません。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Demitri Kalogeropoulosは、バークシャー・ハサウェイの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。コカ・コーラの2024年1月満期の47.50ドルコールのロング。モトリーフールは情報開示方針を定めています。