東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反発となりました。112円高の30,713円で寄り付いた日経平均は9時20分過ぎに85円高の30,687円を付けた後大きく上げ幅を広げると前引け5分前に479円高の31,081円まで上昇し471円高の31,072円で前場を終えました。372円高の30,974円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに326円高の30,928円を付けた後、大引け間際に433円高の31,034円を付けるなど節目の31,000円を挟んでもみ合うと結局389円高の30,991円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
上期決算を発表した富士通(6702)が12.8%高となりました。主力のサービスソリューションで国内受注が大幅に伸びたことなどにより第2四半期3ヶ月間の営業損益が464億円の黒字となり、第1四半期の16億円の赤字から黒字転換したことから買いを集めました。同じく上期決算を発表した野村総合研究所(4307)も一時6.8%高となりました。国内で金融機関向けのシステム開発の案件が想定以上に伸びると見込まれるほか、流通業などを中心にデジタルトランスフォーメーション(DX)需要が旺盛なことなどから1170億円とみていた通期の営業利益の見通しを1200億円に上方修正したことで大幅高となりました。SGホールディングス(9143)も一時4.9%高となりました。傘下の佐川急便が個人向けの宅配便の基本運賃を2024年4月から平均で約7%上げると伝わったことで収益の改善を期待した買いが入りました。一方で上期決算を発表した日立建機(6305)が一時6.5%安となりました。北米が好調で1400億円とみていた通期の営業利益の見通しを1600億円に上方修正しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。カプコン(9697)も一時10.1%安となりました。6月発売の格闘ゲーム「ストリートファイター6」の販売好調で上期の営業利益は前年同期比54.5%増となりましたが、市場予想を下回ったことから売りが膨らみました。第3四半期決算を発表したキヤノン(7751)も一時5.8%安となりました。レーザープリンターの中国での需要減速や、半導体露光装置などの納期の後ろ倒しにより通期の売上高の見通しを下方修正したことから大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は389円高となりました。昨日に大きく下げたことから自律反発狙いの買いが優勢となりました。また、昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表したインテル[INTC]やアマゾン・ドット・コム[AMZN]が時間外取引で大幅高となったこともあり上げ幅を広げ節目の31,000円を回復する場面もありました。そのため押し目買い意欲は依然として健在だといえそうで、来週は一段と本格化する決算発表を支えに31,000円を超えてさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後には信越化学工業(4063)やコマツ(6301)、日立(6501)などが決算を発表する予定です。さらに日本時間の21時30分には米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する9月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるほか、23時には10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)