日経平均はネガティブな値動き

日経平均は、8月18日の安値31,450円を下回るネガティブな値動きとなりました。9月15日の高値33,533円によって、直前の高値である8月1日の高値33,476円を更新したことで、直前安値である8月18日の安値を下回ることはない、と見込んでいましたが、そうならなかったことで当面の見通しを少し考え直す必要がありそうです。

とはいっても、大局観は今のところ変わりません。現時点では、3万円処を推移している200日移動平均線を上回っています。長期視点では、強気継続局面にある中の短期的な調整と判断できます。

一方で、反発力も強い。週明けは結構下げましたが、先週の強い反発の反動安の範疇です。一息入れて、25日・50日・75日・100日移動平均線が集まっている32,200~32,400円の上値のフシを上抜けると、情勢は一気に買い方優位に傾きます。

今回の急落が腰の弱い買い方の「振るい落とし」になっていたとしたら、上記のフシ突破で年初来高値更新は意外と早いかもしれません。要するに、買い方の離散によって需給が軽くなっているはずだからです。

揺り戻しから探る今後の動き

私は9月中旬までの相場の堅調さに賛同しながらも、気になっていた点がありました。

それは、2023年5月の相場の上昇局面で、2021年2月の高値30,467円、同年9月の高値30,670円のフシをブレイクアップしました。このように、過去の戻り高値などのフシをブレイクアップすると、その後の調整では元のフシまでリターンムーブ(揺り戻し)という現象が生じることが多いのです。その揺り戻しが先に生じないと、一段高に行けないのではないか?と気になっていたのです。

そのため、今回10月4日に安値30,526円をつけた急落が単なる揺り戻しだったとしたら、ある意味で納得なのです。この日は戦々恐々とした「投資の日」となりましたが、急落後の戻りの強さを信じたいところです。

そのような楽観的な見方ができる一方で、直前安値を下回ることは後々の相場に響いてきます。例えば、今回とは期間が異なりますが、2018年12月後半の急落場面や、2022年3月前半までの下落場面です。

直前高値を更新しながらも、その直後の下落で直前安値を下回る場面がありました。結局、高値水準を回復するまでに、それまで保ち合ってきた期間とほぼ同じ期間の日柄調整を強いられています。直前安値をいったん下回ってしまうと、戻り待ちの売りなどをこなす、投資家心理が改善するまでに時間を要することになります。

そのため、もしかすると今回も直前安値の8月18日安値を下回ったことで、7月高値から10月4日安値までの期間は一目均衡表の基本数値「65」日となりますが、10月4日安値から「65」日が経過する2024年1月第2週まで、調整期間が長引くと考えることもできます。