先週はFOMC(米国)、BOE(英国)、SNB(スイス)、そしてBOJ(日銀)と主要通貨の中央銀行政策金利決定会合ラッシュでしたが、4行とも据え置きという結果に終わりました。

FOMCは政策金利を据え置きとしましたが、現状の高金利水準を維持する姿勢を一貫しました。逆にBOEやSNBは市場予想では利上げが織り込まれていましたが、直近のインフレ指標や経済指標が徐々に軟化傾向であることを理由に、現状維持で金利を据え置きました。

私は、いずれ米国も徐々にタカ派→ハト派に傾斜していくことで株式市場も暗号資産市場も回復してくると予想します。

今回の結果的には暗号資産価格は市場全体横ばい推移となり安堵感が広がったように思え、上値を再び追える展開を予想します。

また日銀に関しては金融緩和継続と終始一貫しており、変わらずといった内容でした。9月上旬の事前の一部報道で、植田日銀総裁がマイナス金利解除も選択肢の一つと考えているといった報道もありましたが、9月22日の日銀金融政策決定会合はそのような判断にはなりませんでした。日銀の現状の姿勢はリスクオン材料ですので、ビットコインに関しては少なくとも追い風だと考えます。

BTC、MACDマイナス圏から復活の兆しで陽転開始

【図表1】 BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

まずBTC/JPY日足から分析していきます。9月25日朝、下落が入り390万円を割れました。このところ、レンジ幅であったことから、390万円割れでストップが走り、安値は386万円台までとなっています。

この付近はSMA30と200が位置するポイントのため、先週のコラムで指摘させていただいた通り、押し目買いのポイントだと考えます。今回も今の所、よくサポートされており押し目買いを狙うならこの水準からでしょう。そのため今週は買いで仕掛けるならエントリーは週前半が勝負で月曜、火曜中が良いと思います。

また合わせてMACDも陽転開始しました。2ヶ月程度、マイナス圏で推移していましたが、復活の兆しが現れてきています。長期オシレーターでもこのようなシグナルが発せられているので、買いトレードで勝負できるように考えます。

目先ターゲットは下降トレンドライン、およびSMA90となるでしょう。今週の上値の目処は400-405万円と予想し、ここを超えていきますと、上昇に更に弾みがつくと思います。私自身は、この値動きに期待をしています。

イーサリアム「Dencun」2024年に実施か テストが遅れる可能性が浮上

先日、直近最も期待されていたETHの大型アップデートが2024年にずれ込むという報道が入り、少々ネガティブな状況となってきました。

2023年のETHで最も期待されていたプロジェクト、Dencunであったため、落胆の声は一定数ありそうです。筆者自身もこのアップデートの中でもプロト・ダンクシャーディングには大いに期待をしておりましたが、それもあと半年ほどお預けとなりそうです。しかし、慎重な開発が予定されておりますので、次の押し目では強気で買っていけるのではと考えています。(相場の格言の「強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」でも表現されるように悲観や懐疑のときこそが機会と考えます。)

続いて、ETH/JPYの日足チャート分析について解説します。

【図表2】 ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

目先、上昇トレンドラインまで押し込まれることを予想し、買いで入るならば、この水準からでしょうか。ETH/JPYの予想は暫定価格22万5,000-23万円とします。一時的にSMA30を超えていましたが、現在は表示した移動平均線を全て下回って推移しています。

BTCほど強気なテクニカル形状ではありませんので、一度、押して反発を期待する展開とイメージしたいと思います。上値のターゲットは先週の発信と同じく、SMA90と200付近と考え、25万円の大きな上値レジスタンスという認識に変更はありません。