鉄鋼株、銀行株は2015年高値を更新

前回のコラムでは、「鉄鋼株の月末値、そして銀行株の追随に注目」をテーマに高値を追う鉄鋼株指数(以下、鉄鋼株)と銀行株指数(以下、銀行株)の動向をとり上げましたが、8月末時点で鉄鋼株、銀行株ともに2015年の戻り高値を上回る結果となりました。少し復習の意味で、前回のコラムの内容を記載します。

両指数はともに月足の長期波動で、2012年と2020年のほぼ同じ時期に大底を打っており、その間の反発局面でつけた2015年と2017年の戻り高値があります。

現在は、2020年の大底からの中期上昇局面にあり、両指数ともに2017年高値はすでにクリアし、次に水準が高い2015年高値に迫っていました。特に鉄鋼株が8月末で2015年高値を上回れば、長期波動は下から上に変わったことになり、さらに上昇が見込めます。そして銀行株の追随も時間の問題だ、と解説しましたが、銀行株も鉄鋼株と同時に2015年高値を更新しました。

以上が前回のコラム内容のフォローアップなのですが、追加で一点気づくことがありました。それは、非鉄金属指数(以下、非鉄株)の動向です。

鉄鋼株が高値のフシを上抜けたことで注目すべきは、非鉄株

8月末現在、東証33業種の年初からのパフォーマンスをみると、上位3つが鉄鋼株、鉱業株、卸売(商社)株で市況・景気敏感業種です。いずれも2007年当時の資源株相場でつけた高値が比較的高い業種でもあります(図表)。商社株はバフェット効果もあり、すでに当時の高値を上抜けて「青天井」の状態です。

【図表】連動性のある市況・景気敏感業種(2002年末=100、~2023年8月31日、月次)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

ただし、鉄鋼株は当時の高値水準があまりにも高すぎる。そういった意味では商社株と比べても仕方ないのですが、相場全体の地合い良好が続けば、上値余地の可能性は魅力的に映りますね。

その一方で、年初からのパフォーマンス下位の3つは、医薬株、非鉄株、保険株です。共通した切り口はないですが、市況・景気敏感業種でありながら上位3つから離され、蚊帳の外にある非鉄株に違和感はないでしょうか?

実は、鉄鋼株と非鉄株は長期波動では特に連動性が高いのです。

そのため、今回の鉄鋼株が高値のフシを上抜けたことで見るべき出遅れ業種は非鉄株となります。さらなる鉄鋼株の動意があれば、非鉄株を刺激することになるでしょう。現在、非鉄株は1,150ポイント台で推移しています。2018年高値(図表の矢印)を超えた場合、2007年高値からの急落後の戻り高値をすべてクリアしたことになり、強いキャッチアップが期待できます。