週明けの日本株市場は買い戻し優勢の展開

ジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演内容で米国株が上昇したことや、円安などを受け、週明けの日本株市場は買い戻し優勢の展開となりました。

日経平均にはチャート上に強気サインが出現。先週末の急落で開けた窓を一気に埋め戻す「陰線逆上がり」となり、下げを否定するパターンとなりました。TOPIX(東証株価指数)に関しては、25日移動平均線を再び上回る強気サインが点灯。今週は月末・月初によるリバランス売買が予想されますが、9月前半に向けて上目線の局面入りになるのでしょうか。

日経平均をTOPIXで割ったNT倍率の低下基調が続いています。8月28日現在で13.98倍と14倍を下回る水準です。2023年の最高水準となった6月16日の14.65倍から、8月中旬には200日移動平均線を下回り、さらに低下余地を探る展開となっています。NT倍率が低下するということは、TOPIXが優位の局面が続いているということなので、しばらくはTOPIXを中心にみていく必要があります。

高値を追う鉄鋼株指数と銀行株指数

業種的には、鉄鋼株指数と銀行株指数に注目しています。図表に示したように、両指数ともに月足ベースの長期波動では2012年と2020年のほぼ同じ時期に大底を打っており、その期間内の2015年5月と2017年12月に2度の戻り高値をつけました。

【図表】鉄鋼株と銀行株の長期チャート(月次)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

現在は、2020年安値の大底からの中期上昇局面にあり、両指数ともに2017年高値をクリアし、2015年高値に迫っていることがわかります。鉄鋼株指数の方は8月28日現在で2015年高値をすでに上抜けており、8月末終値で上抜けると長期波動は下から上に変わったことになり、さらに上昇が見込める見方になります。銀行株指数の追随も時間の問題でしょう。