東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて5日ぶりに大幅反落となりました。446円安の31,840円で寄り付いた日経平均は直後に401円安の31,885円を付けた後下げ幅を広げると10時40分過ぎに651円安の31,635円まで下落しました。その後一旦下げ渋りましたが、引き続き安値圏で推移すると後場に入ってさらに下げ幅を広げ14時50分に715円安の31,572円まで下落し結局662円安の31,624円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で好決算を発表した米エヌビディア[NVDA]が小幅な上昇に止まったことや、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超える下落となったことから日本市場でも半導体関連株が売られました。アドバンテスト(6857)が一時10.5%安、東京エレクトロン(8035)が一時6.1%安、レーザーテック(6920)が一時7.0%安、SCREENホールディングス(7735)が一時4.0%安、ディスコ(6146)が一時6.2%安、イビデン(4062)も一時7.5%安となり、アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄で日経平均を264円押し下げています。ソフトバンクグループ(9984)も一時3.8%安となりました。米シェアオフィス大手のウィーワークの破産申請の可能性について融資を実行した複数の米金融機関が協議していると伝わったことで、ウィーワークの最大出資者であるソフトバンクグループが売られました。一方で投資判断と目標株価の引き上げを受けてクラレ(3405)が一時2.9%高となり年初来高値を更新したほか、不二製油グループ本社(2607)も目標株価の引き上げを受けて一時2.2%高となり年初来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場では麻袋大手の日本製麻(3306)が一時16.8%高となりました。カレーチェーンを運営するゴーゴーカレーグループが日本製麻の株式を買い増したことが北陸財務局に提出した変更報告書により分かったことから買いを集めました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は662円安となりました。持ち高調整の売りが出て昨日の米国市場が大幅下落となったことから大幅反落となりました。下げ幅を大きく広げ昨日に上回った75日移動平均線(32,135円)や一昨日に回復した節目の32,000円、さらに22日に上回った5日移動平均線(31,868円)などを一気に割り込みました。そのため昨日までの4連騰で一旦和らいだ警戒ムードが改めて高まりそうです。なお、日本時間の23時過ぎには米カンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演を行う予定です。講演がタカ派的な内容になるとの見方もあるだけにマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)