【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,288.83  ▼174.86 (8/22)
NASDAQ: 13,505.87  △8.28 (8/22)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は大手格付け会社が一部米地銀を格下げしたことを受けて金融株に売りが出て下落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が堅調で上昇となりました。ダウ平均は30ドル高でスタートすると朝方に50ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ下げ幅を広げる展開となりました。大引け間際に206ドル安まで下落したダウ平均は結局174ドル安の34,288ドルで取引を終え続落となりました。また、S&P500株価指数も12ポイント安の4,387ポイントと反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8ポイント高の13,505ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

7月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比2.2%減の407万戸となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、生活必需品などの7業種が下げました。一方で不動産や公益事業などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

S&Pグローバル・レーティングスが米地銀5行を格下げしたことを受けて金融機関の経営環境の厳しさが改めて意識され大手金融株が売られました。JPモルガン・チェース[JPM]とバンク・オブ・アメリカ[BAC]、シティーグループ[C]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]が2%を超える下落となったほか、ゴールドマン・サックス[GS]とモルガン・スタンレー[MS]も1%以上下げています。また、格下げとなった地銀のキーコープ[KEY]やコメリカ[CMA]、バレー・ナショナル・バンコープ[VLY]も4%を超える下落となっています。

さらに百貨店のメーシーズ[M]が決算で示した8-10月期の見通しが市場予想を下回ったことで急落し14%余り下落しています。他の百貨店株にも売りが波及しコールズ[KSS]も10%安となりました。一方でホームセンターのロウズ[LOW]が決算で1株利益が市場予想を上回ったことから3%を超える上昇となっています。玩具のハズブロ[HAS]も目標株価の引き上げを受けて7%余り上げました。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い4.32%となりました。ドル円は145円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続落となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)