【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,946.39  ▼361.24 (8/15)
NASDAQ: 13,631.05  ▼157.28 (8/15)

1.概況

米国市場は中国の経済指標が軒並み市場予想を下回ったことで中国景気の減速懸念が強まったことや、格付け会社が大手米銀を含む70行以上を格下げする可能性があると伝わったことで大幅反落となりました。88ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に340ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると引けにかけてさらに下げ幅を広げ結局361ドル安の34,946ドルで取引を終え4日ぶりに反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も157ポイント安の13,631ポイントと反落となっています。

2.経済指標等

8月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス19.0と前月から低下し市場予想も下回りました。8月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も50と前月から低下し市場予想を下回りました。6月の米企業在庫も前月から変わらずとなり市場予想を下回っています。一方で7月の米小売売上高は前月比0.7%増となり市場予想を上回りました。7月の米輸入物価指数も前月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。7月の米輸出物価指数も前月比0.7%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える下落となったほか、金融と公益事業、素材も1%台後半の下げとなっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はアムジェン[AMGN]とホーム・デポ[HD]を除く28銘柄が下げました。そのなかでもダウ[DOW]が3%を超える下落となり、シェブロン[CVX]も3%近く下げています。インテル[INTC]とキャタピラー[CAT]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、スリーエム[MMM]も2%を超える下落となり、格付け会社が大手米銀を含む70行以上を格下げする可能性があると伝わったことでJPモルガン・チェース[JPM]も2%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外でも大手金融株の下げが目立ち、バンク・オブ・アメリカ[BAC]が3%を超える下落となり、シティーグループ[C]やウェルズ・ファーゴ[WFC]も2%以上下げています。また、主力ハイテク株が軟調でテスラ[TSLA]が3%近く下落し、アマゾン・ドット・コム[AMZN]も2%余り下げました。半導体株も安くマイクロン・テクノロジー[MU]が4%を超える下落となり、ウエスタンデジタル[WDC]も3%以上下げました。クアルコム[QCOM]も2%余り下げています。一方で米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ[BRK]が新たに株式を取得したことが明らかになったことから住宅建設のDRホートン[DHI]が3%近く上げています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高4.21%となりました。ドル円は145円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,000円を割り込んだところで押し目を拾うような動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)