東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて反発となりました。312円高の32,372円で寄り付いた日経平均は直後に344円高の32,403円を付けた後10時30分過ぎに172円高の32,232円まで上げ幅を縮めましたが、引き続き堅調に推移すると13時過ぎには寄り付きとほぼ同水準まで戻す場面もありました。しかし、その後伸び悩むと大引け間際に157円高の32,217円まで上げ幅を縮め結局178円高の32,238円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
日本郵政(6178)が4.9%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の10%にあたる3億4600万株、3000億円を上限とした自社株買いを発表したことで大幅高となりました。荏原製作所(6361)も一時8.6%高となりました。海外で石油化学や液化天然ガス(LNG)向けに使うポンプ需要が伸びたことなどで上期の営業利益が前年同期比で24.2%増となり、会社計画や市場予想を上回ったことから買いを集めました。光通信(9435)も一時8.0%高となり年初来高値を更新しました。電力事業や宅配水事業が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で31.2%増となったことから買いが優勢となりました。また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%近く上昇したことから日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時4.2%高、SCREENホールディングス(7735)が一時3.7%高、アドバンテスト(6857)が一時5.1%高、ディスコ(6146)も一時4.8%高となりました。
一方で上期決算を発表した電通グループ(4324)が一時7.8%安となりました。米国のテック企業を中心に広告予算を絞る動きが広がっていることなどにより通期の営業利益の見通しを1543億円から1265億円に下方修正したことで大幅安となりました。シチズン時計(7762)も一時9.1%安となりました。工作機械事業で中国の市況低迷が響き第1四半期の営業利益が前年同期比で0.9%減となったことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は178円高となりました。半導体株などハイテク株への買いを支えに昨日の米国市場が上昇したことから反発となりました。また、寄り付き前の8時50分に発表となった4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比で1.5%増、年率換算で6.0%増となり市場予想を大きく上回ったことから寄り付き直後には344円高まで上げ幅を広げる場面もありました。しかし、内需が弱くGDPは見た目ほど強くないとの見方もあり伸び悩む展開となりました。そのため一日を通して堅調に推移したもののやや勢いを欠いたといった印象で、決算発表が一巡となるなかで25日移動平均線や一目均衡表の雲を抜けて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には8月のニューヨーク連銀製造業景況指数や7月の米小売売上高、7月の米輸出入物価指数などが発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)