BTC(ビットコイン)はここ数日、412-415万円で推移しており、1%にも満たない値動きが続いています。どこの取引所でも同様で、夏枯れ相場の様相でしょうか。

8月4日に発表された米雇用統計では、賃金上昇率は事前予想を上回り、失業率も前月から改善し、好結果に終わりました。雇用者数は予想を若干下回ったものの、注視が必要なレベルではないと思われます。

今週は米CPI(消費者物価指数)が発表されます。米国経済は順調にインフレーションの抑え込みに成功しており、このペースがさらに継続するのか、または低下速度減速かを見極めるポイントに来ています。

インフレ率低下となれば、利下げの意識が高まり、BTCは上昇しやすい展開になるでしょう。逆に上昇となれば、さらなる利上げ期待が先行するためBTCにとってはネガティブでしょう。ただ、さらなる利上げは米経済失速の可能性を高めることも考えられるため、リスクオフ相場へと徐々に反応していくと思われます。つまりBTC高の可能性が出てきます。

よって、今週のCPIの結果はいずれにしても、BTCには追い風になりやすいのではないでしょうか。

BTC(ビットコイン)は懸念材料も織り込み済みか

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から見ていきましょう。先日とほとんど値段に変わりはありません。先週前半は一時430万円近くまで上値を伸ばすタイミングがありましたが、急激に戻しました。米司法省が暗号資産取引所「Binance」に対して詐欺罪での摘発を検討しているという報道の影響が考えられます。ただ、安値を割り込んでいないことを考えると、マーケットはそれらを織り込んでいる可能性があります。

今週も引き続き、SMA90(3ヶ月移動平均線)のサポートと400万円付近に引けるサポートラインを意識し、押し目買いスタンスで考えるのがよいかと思います。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、BTC/JPY4時間足を分析します。ここ数日、横ばい推移が長く、新規での売り買いがないと思われる状況です。ここしばらくネガティブな材料が続いたことを考えると、ポジティブニュースが入れば値を戻しやすい状況であり、買い方向に分があるとも考えられるのではないでしょうか。

目先上昇する場合は、420万円方向を意識します。オレンジの移動平均線はSMA200です。SMA200が目先上値抵抗線として機能しやすく、その後、浅い押し目から反発し、先週の高値をトライできれば、大きく上昇トレンドに回帰できるかもしれません。430万円以上には大きなストップが存在する可能性もあり、今週は430万円を意識してトレードしていきたいと考えています。

ETH(イーサリアム)は約3週間方向感なし

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いてETH/JPY日足分析に移ります。すでに3週間程度、26万円台のレンジから抜け出せていません。先週もSMA90にぴったりとサポートされました。SMA30も緩やかに下がってきており、より狭いレンジでの推移を強いられている状況です。

MACDも0.00付近から離れず、方向感がありません。分析が難しい状況ではあるものの、2023年秋以降に実装を計画されているプロト・ダンクシャーディング(ETHチェーン上にて、大幅に送金手数料が安くなる仕組みの実装)が期待ファンダメンタルズとなる可能性はありそうです。

この実装に目処が立ってくるとETH価格も上昇方向に動き出すと考えます。それまではしばらくBTCに連動するように動くのではないでしょうか。もうしばらく我慢の展開を予想し、アクティブトレードは控えめにいきたいと思います。

今週もBTC中心のトレードとし、ETHトレードは見送りのスタンスです。