今日は日銀の金融政策決定会合。結果を知る直前執筆のコラムで断定的なことは書けないのですが、おそらく今月もYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正、撤廃はなかったのでは…?!いや、昨晩AM2:00日経新聞がYCC修正への議論へと報じていますが、ひょっとするとYCC政策の修正が発表されているでしょうか?

今年4月の植田新日銀総裁就任の折、植田氏が過去にYCCの副作用に言及したことがあったとして、就任後すぐの4月の日銀会合でYCC修正/解除を予想する向きがJGB10年の先物をショート。円金利が上がる方向に賭けたわけですが、結果、日銀動かず。4月会合後、ドル円相場は2日で4円も吹き上がりました。6月も同様の動きが見られましたが、やはり日銀は動かずドル円相場は1日で2円も上昇。そして今回7月会合では展望レポートで物価見通しが上方修正される見込みであることから「今度こそは」とまたも海外ファンドの仕掛けが入っています。おそらく今日も日銀会合を受けて(YCC修正/解除があってもなくても)ドル円相場のボラティリティは上昇していることと思います。

しかし、植田新日銀総裁は「賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現することを目指す」として、黒田日銀の緩和政策を引き継ぐスタンスを示し、早期の政策変更のリスクとコストに言及しているというのに、何故に海外投資家は毎度毎度政策変更にかけた投機ポジションを取ってくるのでしょうか?

「海外勢は日本人のメンタリティを理解していないんだよ。」と話してくれたのは元外資系為替ディーラー。仕事柄ディーリングの最前線で戦ってきた元ディーラーの方とお話しする機会も多いのですが、曰く、外資系金融の世界ではボスが入れ替わると、ボスが組織を「俺色」に染めたがるため、人事から仕事のやり方までガラリと変えてしまうのだそうな。その感覚で日銀を見ているのだろうと言うのです。「悪い円安とメディア批判も大きくなってきた黒田元日銀総裁の政策を新総裁は就任後直ぐに変えるだろうと考えるのが海外勢。対して日本人は前任者の顔を潰すようなやり方では政策変更はしない、ということが理解できないのだろう。」

と伺って、そんなものなのかな?と思っていたのですが、今週イーロン・マスク氏が買収したTwitterのPCブラウザ版のロゴが早速「X」に変わっていましたね。これまで長く親しんできた青い鳥が消えてしまいました。なるほど、これが「俺色」に染めるということね。サービスのアップデートは大歓迎ですが、なにもロゴまで変えなくても…と思うのは日本人のメンタリティなのでしょうか。