地政学リスクが再燃し、短期的にリスクオフの動きが促されます。ただ、地政学イベントを振り返ると、その影響は短期的かつ調整幅も限定的です。背景には多くの場合、実体経済への波及が限定的だったことが挙げられます。

注視すべきは、原油価格の動向です。歴史的には原油価格の急騰が景気後退の一因となった局面もありました。ただ、当時は金融引き締めと重なるなど局面の違いがあります。また、過去と比べ、日本は引き続き輸入依存度が高い一方、米国は石油輸出国に転換するなど、状況の変化もあります。

投資家心理が振れやすい局面にあり、弱気材料が強調されやすくなっています。先週はAIの脅威を強調するレポートが「売りの口実」とされました。

一方で、「HALO(Heavy Asset Low Obsolescence)」という見方が台頭しています。資産が重く陳腐化しにくい企業群が、AI時代の混乱に耐性を持つ存在として注目されています。HALOは本来「後光」を意味しますが、まさにこれまで目立たなかった企業群が新たな光を帯び始めています。

この点で日本株は象徴的です。低成長、低収益、非効率といった弱点とされた特徴も、再評価の対象になりつつあります。長年維持されてきた幅広い産業基盤や、ニッチ分野に特化した製造技術が、AI関連投資のなかで代替しにくい供給力として見直されています。半導体向け特殊素材などでは、市場拡大と利益率上昇の可能性も指摘されます。

投資家心理は、本当によく揺れ動くものです。悲観も楽観も生まれる局面では、短期的な流れに振り回されるのではなく、芯を通るファンダメンタルズを見極める姿勢が一層重要になるのでしょう。