今週(7月14日~7月20日)の相場動向

相場回顧 BTC:リップル訴訟問題の思惑で一喜一憂

ビットコインは、米国地方裁が「リップルは証券ではない」との判決を下したことを受けて、リップルをはじめ一部アルトコインの高騰とともにBTC=446万円(32,000ドル)付近まで上昇した。リップルは、判決直後にコインベースなど主要取引所が取扱いを再開したこともあり、前日比約2倍となるXRP=125円(0.9ドル)付近まで高騰した。

しかし、エイダやソラナなどのアルトコインへ資金が流れる中でビットコインのドミナンスは急落し、その中でビットコインはたちまち上昇分を打ち消した。リップル判決で「機関投資家向けの販売は証券法に反する」と米証券取引委員会(SEC)の主張が一部認められたことも市場の過熱を抑えた。その後、米国の株式市場は大手金融機関の好決算などを受けて堅調に推移したが、ビットコインは金融安定理事会(FSB)が暗号資産規制を強化する提言を発表したこともあり一時BTC=418万円(30,000ドル)を割り込んだ。

一方、リップルは米国金融機関による決済利用が増えるとの思惑により再び強い値動きとなった。テスラの2023年Q2決算発表ではビットコイン保有量に変化がないことが明らかになったが相場への影響は限定的だった。

 

来週(7月21日~7月27日)の相場予想

米FOMCに注目が集まる中、BTCはアルトコイン物色後の反動売りに警戒

7月25、26日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、6月米雇用統計など今月に発表された経済指標が堅調だったことから0.25ポイントの追加利上げが予想されている。次回の9月会合までは約2ヶ月の間が空くため、今回パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がどのような発言をするかが相場を占う上で重要であり、年内の追加利上げの可能性を強く示した場合はリスク資産の売りが強まるだろう。またユーロ圏においても9会合連続となる追加利上げが予想されており、世界的な金融引き締めの継続が示唆されることで相場にネガティブな影響が及ぶことは考えられる。

2023年に入って米国ではSECより「暗号資産の大半は証券である」との指摘がされてきたが、リップル訴訟問題の判決を受けてアルトコインに対する厳しい見方が緩和されつつある。ビットコインの価格も停滞する中で投資家はよりボラティリティの高い銘柄への関心を高めており、アルトコインを中心に強い値動きを見せることは考えられるだろう。それにビットコインが連れ高する可能性もあるが、ドミナンス低下とともに投機色が強まり、アルトコイン物色後の反動売りが強まることには警戒したい。またブラックロックらが申請したビットコイン現物ETFの審査が正式にスタートしたため、それらの続報にも引き続き注目である。

直近、上値として今月高値付近であるBTC=446万円(32,000ドル)、下値として6月上昇前のレンジ半ば付近であるBTC=391万円(28,000ドル)を意識する。