株価は一旦天井をつけたのか?
前回のコラムでは、ダブルトップの完成に注意が必要と解説しましたが、その通りの展開となりました。では、どのような形になるとダブルトップが完成するのかを確認したいと思います。
ダブルトップはその名の通り、高値が2つ発生するものですが、その高値と高値の間の安値を下回るとダブルトップが完成することになります。ただ、日経平均などの指数の場合、個別株とは違って、気配値で値が算出されるため、私は終値ベースでチェックするようにしています。
チャート上では安値の水準(青)と終値(赤)に各々線を引いていますが、ダブルトップの完成を確認する場合、6月27日の安値ではなく、終値ということになります。そこで6月27日の終値を、終値が下回った日付を確認すると7月7日になり、この日にダブルトップが完成したことになるのです。
この違いを意識するかしないかで、今回のケースではダブルトップ完成の判断が1日遅れることになってしまうため、私はとても重要なポイントだと考えています。このように、ダブルトップが完成してしまうと、株価は一旦天井をつけたことになり、その後は下落が続くというのが一般的な考え方になります。
また、ダブルトップが完成すると同時に、5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生しているのが分かります。そのため、今後の展開を考えますと、下向きの5日移動平均線が上値の抵抗になるかどうかが注目ポイントです。
仮に5日移動平均線が上値の抵抗になって株価の上値を押さえるようですと、32,000円を割り込んだり、31,000円台前半まで下落が続いたりすることが考えられそうです。一方で、5日移動平均線を上回って維持するようですと、一旦底入れして25日移動平均線辺りまで戻すことが期待されます。
モメンタムは0ライン上を回復できるか注目
そこで注目されるのが、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムです。前回のコラムでは、モメンタムが示す逆行現象の発生で、「5日や25日移動平均線を割り込むことが考えられ注意が必要」と解説し、ここでもその通りの展開となりました。
しかし、7月11日現在のモメンタムを見ますと、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っているのが分かります。
そのため、下落の勢いの方が強い状態と言うことになります。ただ、モメンタムは上向いており、今後上昇が続くのかが注目ポイントになります。
仮に上昇が続き、0ラインを上回るようですと、5日移動平均線を上回ることが期待される反面、モメンタムの上昇が限定的で、0ラインを上回っても直ぐに割り込んだり、下向きに変化して低下が続いたりするようですと、さらに株価水準が切り下がることが考えられます。
今後の展開を考えますと、モメンタムが上昇して0ラインを上回ることに加え、5日移動平均線上を回復して維持するまでは、下降トレンドが続いていると判断し、押し目買いは控える必要があるのではないかと思われますので、引き続き注意したいところです。