5日移動平均線を上回り25日移動平均線に到達

前回のコラムでは、長い下ヒゲを形成した3月11日以降の値動きが重要と解説しました。実際に、5日移動平均線を上回って14日の取引を終えたことから、翌営業日となる17日は窓をあけて大幅高となり、18日も2日連続となる窓をあけているのが分かります。

また、急上昇していることもあって5日移動平均線が上向きに変化していますが、株価と5日移動平均線に乖離が広がっていることに加え、下向きの25日移動平均線に到達して押し返され、上ヒゲ陰線を形成しています。

こうした状況から、今週は5日移動平均線上を維持できるかが、反発継続の重要なカギになると思われます。仮にこのまま反落しても、上向きに変化した5日移動平均線上を維持するようなら、下向きの25日移動平均線をいずれ上回ることが考えられます。

一方で、反落して5日移動平均線を下回るようなら、下向きの25日移動平均線がさらに低下してくることに加え、5日移動平均線も下向きに変化して再び36,000円を割り込むことが視野に入ります。そのため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(グレー線)、25日(赤線)、75日(青線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

モメンタムは上向きに変化

さらに注意が必要と考えられるのが、モメンタムの向きと水準です。3月18日の取引を終了した時点のモメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方を見ると、2本線ともに上昇しています。また、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインをわずかに上回っています。

こうした状況から、2本線の上昇が続くかが反発継続の重要なカギになると思われます。仮に2本線の上昇が続いて水準を切り上げるようなら、25日移動平均線を突破して維持することが期待されます。その反面、2本線が上昇しても限定的だったり、下向きに変化して0ラインを割り込んで戻せなくなったりするようなら、25日移動平均線を下回ったままで推移するだけでなく、5日移動平均線も下回って戻せなくなることが考えられます。買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に警戒が必要でしょう。

特に2本線が0ラインを下回って低下し、直近の低い水準を下回って推移するようなら、下落の勢いが強まるとともに36,000円割れを試すことが考えられるため、リバウンド狙いの買いは控えるとともに損失の発生や拡大に要注意です。