【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,926.74  △212.03 (6/27)
NASDAQ: 13,555.67  △219.90 (6/27)

1.概況

米国市場は市場予想を上回る経済指標の発表が相次いだことで景気悪化への懸念が後退し反発しました。24ドル高でスタートしたダウ平均はじりじりと上げ幅を広げ取引終盤に260ドル高まで上昇した後やや伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局212ドル高の33,926ドルで取引を終え7日ぶりに反発となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も219ポイント高の13,555ポイントと3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

5月の米耐久財受注額は前月比1.7%増となり市場予想を上回りました。6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も109.7と前月から上昇し市場予想を上回りました。また、5月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比12.2%増の76万3000戸となり市場予想を上回りました。さらに4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数も前年同月比1.7%低下となりましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が上げました。そのなかでも一般消費財・サービスと情報技術が2%余り上昇したほか、素材と資本財・サービス、コミュニケーション・サービス、不動産も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が上げました。そのなかでもインテル[INTC]が2%を超える上昇となったほか、ホーム・デポ[HD]とボーイング[BA]、マイクロソフト[MSFT]も2%近く上げています。一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス[WBA]が決算を発表し通期の1株利益の見通しを引き下げたことから9%を超える下落となり、スリーエム[MMM]も2%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が高く、テキサス・インスツルメンツ[TXN]が4%を上回る上昇となり、エヌビディア[NVDA]も3%余り上げました。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]とマイクロン・テクノロジー[MU]、クアルコム[QCOM]も2%以上上昇しています。また、半導体製造装置関連株も買われ、アプライドマテリアルズ[AMAT]が5%近く上昇し、ラムリサーチ[LRCX]とKLA[KLAC]も4%以上上げています。さらにデルタ航空[DAL]が業績見通しを上方修正したことから7%近く上げました。他の空運株にも買いが波及しアメリカン航空グループ[AAL]とユナイテッド航空ホールディングス[UAL]も5%以上上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は市場予想を上回る経済指標の発表が相次いだことで0.04%高い3.76%となりました。こうしたなかドル円はさらに円安となり144円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)