東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反発となりました。100円安の33,269円で寄り付いた日経平均は持ち直すとプラスに転じ10時30分前に104円高の33,474円まで上昇しましたが、節目の33,500円を前に伸び悩むと再びマイナスとなり前引け間際には281円安の33,089円まで下落しました。しかし、その後、後場に入って下げ幅を縮めると引けにかけてプラスに転じ結局18円高の33,388円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が連日での年初来高値更新となっています。

2.個別銘柄等

大手商社株が揃って上場来高値を更新しました。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK)が子会社を通じて大手商社株を買い増したことが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかとなったうえ、さらに保有比率を引き上げたい考えを示したことから物色の矛先が向かいました。伊藤忠商事(8001)が一時3.5%高、丸紅(8002)が一時5.2%高、三井物産(8031)が一時5.3%高、住友商事(8053)が一時3.1%高、三菱商事(8058)も一時5.7%高となりました。

ローム(6963)も3.1%高となりました。自動車部品大手の独ヴィテスコ・テクノロジーズと炭化ケイ素(SiC)製のパワー半導体の長期供給契約を結び、2024年からの7年間で1300億円以上の半導体を供給する見通しと発表したことから買いが優勢となりました。

また、東証スタンダード市場では居酒屋チェーンのテンアライド(8207)が株主優待制度の拡充を発表したことから一時13.7%高となり年初来高値を更新しています。

一方で企業向けの火災保険料を事前に調整していた疑いで金融庁が報告徴求命令を出していたと伝わったことで東京海上ホールディングス(8766)とSOMPOホールディングス(8630)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)が売られました。東京海上ホールディングスが5.1%安、SOMPOホールディングスが5.3%安、MS&ADインシュアランスグループホールディングスも4.8%安となっています。さらに東京製鉄(5423)も3.3%安となりました。7月契約分の一部の鋼材価格を引き下げると発表したことで採算悪化を懸念した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は18円高となりました。高値警戒感から利益確定の売りが出て下落してスタートすると前引け間際には280円以上下げる場面もありました。しかし、下げ渋ると後場に入って下げ幅を縮め引けにかけてプラスに転じました。そのため押し目買い意欲は引き続き強いといえそうで、上値は重く小幅な上昇に止まったものの地合いの堅調さが改めて意識されそうです。なお、日本時間の21時30分には5月の米住宅着工件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)