【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,426.63  ▼109.28 (5/19)
NASDAQ: 12,657.90  ▼30.94 (5/19)

1.概況

先週末の米国市場は米債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の協議が難航していると伝わったことから3日ぶりに反落となりました。47ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に116ドル高まで上昇しました。しかし、伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎには199ドル安まで下落しました。その後パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が政策金利は想定されていたほど上昇する必要がないかもしれないと述べたこともあり下げ渋ったダウ平均ですが軟調に推移すると結局109ドル安の33,426ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も30ポイント安の12,657ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービス、金融などの7業種が下げました。一方でエネルギーやヘルスケアなどの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズ(CSCO)が2%近く上げたほか、メルク(MRK)も1%以上上昇しました。一方でナイキ(NKE)が3%以上下げました。靴小売大手のフットロッカー(FL)が通期の売上高と利益の見通しを下方修正し27%余り下げたことで同業のナイキにも売りが出ました。また、ウォルト・ディズニー(DIS)が2%を超える下落となり、ホーム・デポ(HD)とセールスフォース(CRM)、ゴールドマン・サックス(GS)、ウォルマート(WMT)も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、イエレン米財務長官がさらなる銀行合併が必要になる可能性があると語ったと伝わったことで地銀株が安く、ウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)が2%以上下げ、パックウエスト・バンコープ(PACW)も2%近く下落しています。さらにモルガン・スタンレー(MS)も最高経営責任者(CEO)が株主総会で1年以内に退任する意向を明らかにしたことから2%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%高い3.67%となりました。ドル円は138円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅な下落に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。短期的な過熱感が意識され利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)