【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,535.91  △115.14 (5/18)
NASDAQ: 12,688.84  △188.27 (5/18)

1.概況

米国市場は米債務上限問題で野党・共和党のマッカーシー下院議長が来週にも下院で採決できるとの見通しを示したことから続伸となりました。46ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、70ドル高余りで伸び悩むと再びマイナスとなり、ダラス連銀のローガン総裁が講演でここ数週間の指標はまだ利上げ見送りが適切だとは示していないと述べたことなどから午後に入ると一時は208ドル安まで下落しました。しかし、取引終盤に急速に持ち直し引けにかけてプラスに転じると結局115ドル高の33,535ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も188ポイント高の12,688ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件減の24万2000件となり市場予想以上に改善しました。5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数もマイナス10.4と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で4月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比3.4%減の428万戸となり市場予想も下回りました。4月の米景気先行指標総合指数は前月比0.6%低下し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、情報技術が2%余り上昇したほか、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスも1%以上上げました。一方で不動産や生活必需品などの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)が3%近く上げたほか、セールスフォース(CRM)も2%近く上昇しました。ナイキ(NKE)とマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、ウォルマート(WMT)、キャタピラー(CAT)、シスコシステムズ(CSCO)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、ウォルト・ディズニー(DIS)も1%以上上げています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて1%を超える下落となり、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではネットフリックス(NFLX)が昨年11月に始めた広告付きプランの月間アクティブユーザーが約500万人に達したと明らかにしたことから9%以上上げています。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー(MU)も日本政府から支援を受け日本国内の工場に今後数年で最大5000億円を投資すると発表したことから4%余り上昇しています。また、他の半導体株も高くエヌビディア(NVDA)が5%近く上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とウエスタンデジタル(WDC)も4%を超える上昇となりました。さらに半導体製造装置株も買われラムリサーチ(LRCX)が4%以上上げ、アプライドマテリアルズ(AMAT)も3%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%高い3.65%となりました。ドル円はさらに円安となり138円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の31,000円を試すような動きをみせるかかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)