【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,012.14 ▼336.46 (5/16)
NASDAQ: 12,343.05 ▼22.16 (5/16)
1.概況
米国市場は決算を発表したホームセンターのホーム・デポ(HD)の下落が他の消費関連株にも波及し反落となりました。73ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に260ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋り昼過ぎに160ドル安余りまで戻しましたが、引けにかけて一段安になると結局336ドル安の33,012ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は22ポイント安の12,343ポイントとなっています。
2.経済指標等
4月の米小売売上高は前月比0.4%増に止まり市場予想を下回りました。3月の米企業在庫も前月比0.1%減となり市場予想を下回りました。一方で5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は50と前月から上昇し市場予想も上回りました。4月の米鉱工業生産指数も前月比0.5%上昇し市場予想を上回っています。設備稼働率は79.7%と前月から上昇し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、不動産とエネルギー、公益事業が2%を超える下落となりました。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術の2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ホーム・デポが決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、通期の収益見通しを下方修正したことなどから2%を超える下落となりました。他の消費関連株にも売りが波及し百貨店のメーシーズ(M)やコールズ(KSS)が安く、メーシーズが3%を上回る下落となり、コールズも5%近く下げています。また、ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)も2%以上下落しています。一方でヘッジファンドが1-3月期に100万株を新たに取得したことが明らかになったことで半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が4%以上上げています。地銀のウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)も買いの投資判断を受けて2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い3.54%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ136円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が下落となる一方で、ドル円が円安となるなど強弱材料が入り混じるなか本日の日本市場は昨日までの堅調な地合いを引き継いで買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が30,000円の大台を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、寄り付き前の8時50分には1-3月期の国内総生産(GDP)速報値が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)