先週、BTCは目新しい材料がなく、380-400万円のレンジ内で小動きの展開でした。今週に入り、さらにレンジ幅を縮小している状況です。

米国ではシグネチャー銀行、シリコンバレー銀行に続いて、ファースト・リパブリック銀行が破綻し、金融不安が再燃しています。他にも預金流出など資金繰り悪化の影響を受けている銀行があり、波及の懸念が続いています。

先週、FOMC(米連邦公開市場委員会)では政策金利を市場予想通り0.25%引き上げることが決定されました。会合後の記者会見でパウエルFRB議長は、今後の金融政策について明確な言及は避け、年内利下げの可能性については引き続き否定的でした。FOMCを受け、4日〜5日にかけて、マーケットは米ドルの買い戻しが強まるなど荒々しい動きとなりました。

このような状況のなか、BTCの価格は一時的に上昇するも、週末にかけて下がりました。

BTC(ビットコイン)、今週も小動きの展開か

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。

まず、上昇トレンドラインを右方向に割り込みました。少し下落に警戒感を強めなければいけない形状になっています。1週間以上、SMA30(1ヶ月移動平均線)にサポートされていましたが、それを再び割り込んだこともネガティブ要素です。

よって、下値が少し切り下がるイメージを持っています。押し目を拾っていく場合は、三角保ち合い下限サポートライン(370-375万円)が1つ目、SMA90ライン(350万円〜)が2つ目の目安になるでしょうか。日足レベルではこの価格帯に注目したいところです。

MACDはすでにダイバージェンスを終えて0.0ライン近くまで下落しました。すでに下落トレンド入りは失敗に終わった形状になりつつあります。そのことから、下値をあまり押さないパターンになるのではないかと思います。このように考えますと、1つ目の370-375万円のほうが候補として有力かもしれません。

ETH(イーサリアム)、25−26万円での推移続くか

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。

BTCと同様に、ETHも上昇トレンドラインを少し割れてきました。SMA30よりも下の位置で推移しており、徐々に弱気形状となりつつあります。

サポートの目安は、水平線が引ける24万円付近、およびSMA90の23万円台でしょうか。
よって、今週はこの23-24万円がサポートゾーンとなりそうです。

MACDは0.00ラインまで下落し、上昇トレンドの一服感が出ました。再度上昇トレンドが発生する場合に高値を超えるための充電期間は十分満たされているでしょう。

【図表3】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落とします。

25万円付近は、しばらくサポートされているラインとなります。打診買い程度のエントリーならここでもよいかもしれません。移動平均線も短期から中期線も全て集約されており、MACDもしばらく0.00ラインに張り付いています。方向感がない証拠でしょう。

先日、27万円を一瞬超えましたが、反落してカウンターとなりました。25万円を明確に割り込む場合の値動きには注目したいと思います。下ヒゲなどで終わる場合は、下サイドにストップロス注文が存在しなかったことになります。よって、下落もダマシとなれば、再び上サイドを攻めるターンなるでしょう。

ETHは今週前半、少々神経質な値動きになりそうですが、現状を見ている限り市場のポジションは多く抜けきっているため、大きな材料待ちのように感じます。

よって、特段悪材料がない限り、安値更新も限定的で25−26万円での推移が続くように考えています。24万円のサポートまで下落する場合は買い場となるかもしれません。今週はこの水準に注目したいと思います。