東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と円安を受けて3日続伸となりました。201円高の29,058円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分余りで287円高の29,143円まで上昇した後伸び悩むと10時50分前に160円高の29,016円まで上げ幅を縮めました。しかし、節目の29,000円を割り込むことなく推移すると大引け間際に289円高の29,145円まで再び上昇し結局266円高の29,123円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表し2024年3月期の営業利益が市場予想を上回る見通しを示したコマツ(6301)や三菱電機(6503)、NEC(6701)が買われました。コマツは為替や販売台数、原材料高などのマイナス影響を値上げで吸収し2024年3月期の営業利益が市場予想を上回る4910億円となる見通しを発表したことで一時3.2%高となりました。

また、三菱電機も空調やファクトリーオートメーション(FA)が好調に推移するうえ、電気自動車(EV)向けに半導体も伸びることなどから2024年3月期の営業利益が市場予想を上回る3300億円となる見通しを示したことで一時4.5%高となり年初来高値を更新しました。NECも高速通信規格「5G」関連を含むネットワークサービス事業が伸びるころとなどで2024年3月期の調整後営業利益が市場予想を上回る2200億円となる見通しを発表したことから一時16.1%高となり年初来高値を更新しています。

第3四半期決算を発表したメルカリ(4385)も一時16.4%高となりました。国内のフリマ事業が堅調で、広告宣伝費などのコスト削減も寄与することなどで2023年6月期の営業損益が135億円の黒字となり、前期の37億円の赤字から黒字転換する見通しを発表したことで買いを集めました。

一方で本決算を発表したソニーグループ(6758)が一時4.8%安となりました。半導体事業で為替の悪影響が出ることなどから2024年3月期の営業利益が前期比で3.2%減となる見通しを示したことから売りが優勢となりました。同じく本決算を発表した村田製作所(6981)も一時4.4%安となりました。スマホ販売の回復が鈍く、電子部品の販売価格が下がることなどから2024年3月期の営業利益が前期の水準を下回る見通しを示したことで失望売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は266円高となりました。先週末の米国市場が上昇となったことや137円近くまで円安が進んだことから買いが優勢となり、2022年8月17日以来およそ8ヶ月ぶりに節目の29,000円を回復しました。そのため先高期待が一段と高まります。しかし、明日は5連休前ということや連休中に重要イベントが目白押しということもあり様子見になりやすいといえます。そうしたなかで堅調な地合いを維持し、さらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、先週から本格化している決算発表も本日は連休の谷間ということで決算発表を行う企業が一旦大きく減りますが、引け後にはイビデン(4062)などが決算発表を予定しています。また、日本時間の本日23時には4月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)