【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,098.16  △272.00 (4/28)
NASDAQ: 12,226.58  △84.35 (4/28)

1.概況

先週末の米国市場は決算を発表したインテル(INTC)が大幅高となったことや、4月の米シカゴPMIが改善し市場予想を上回ったことなどを好感し続伸となりました。ダウ平均は賃金インフレの動向をみる上で重要な雇用コスト指数が市場予想を上回ったことでインフレ圧力の根強さが意識され28ドル安でスタートすると直後に97ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ昼過ぎには260ドル高近くまで上昇しました。その後一旦伸び悩みました。しかし、大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけてやや上げ幅を広げ結局272ドル高の34,098ドルと高値圏で取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も84ポイント高の12,226ポイントと3日続伸となりました。

2.経済指標等

4月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は48.6と前月から上昇し市場予想も上回りました。1-3月期の米雇用コスト指数も前期比1.2%上昇し市場予想を上回りました。3月の米個人所得も前月比0.3%増となり市場予想を上回ったほか、個人所得も前月比変わらずとなり市場予想を上回りました。また、3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.2%の上昇に止まり前月から伸びが鈍化しましたが市場予想を上回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコア指数も前年同月比4.6%の上昇となり市場予想を上回っています。4月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は速報値から変わらずの63.5となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、エネルギーと金融、不動産、素材、情報技術が1%以上上昇しました。一方で公益事業と一般消費財・サービスの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでも決算で年後半に利益率が改善する見通しを示したインテルが4%高となり上昇率トップとなったほか、ウォルト・ディズニー(DIS)とホーム・デポ(HD)、キャタピラー(CAT)も2%以上上げました。一方でIBM(IBM)とウォルマート(WMT)、アムジェン(AMGN)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではインテルの大幅高を受けて半導体株の上昇が目立ち、ウエスタンデジタル(WDC)が5%余り上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%近く上昇しました。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とクアルコム(QCOM)も2%以上上げ、エヌビディア(NVDA)も2%近く上昇しています。決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)は説明会でクラウドサービスの減速が継続していると述べたと伝わったことで4%近く下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.09%低い3.43%となりました。ドル円はさらに円安が進み136円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の29,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)