5日移動平均線上を維持するも、モメンタムは低下
4月19日から25日までの日経平均株価は、緩やかな上向きを続ける5日移動平均線上を維持しており、上昇トレンドが継続中と考えられますが、上ヒゲや陰線が目立つようになっています。
上ヒゲや陰線は売り圧力の強さを示すものですので、高値圏でこのようなローソク足が発生する場合は、下落に対する警戒が必要になる場面と考えることができます。
そのため、5日移動平均線を割り込むような下落が発生するとともに5日移動平均線が下向きに変化するようですと、大きなレンジの上限を割り込んで25日移動平均線辺りまで下落したり、25日移動平均線を割り込んだりすることも考えられます。高値掴みを避けるとともに、利益確定のタイミングを逃さないようにする必要があります。
そのような中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょうか?4月25日の日経平均株価は前述のように陰線を形成しているものの株価は続伸となっており、トレンドでは上昇トレンドと判断されるところです。しかし、モメンタムは下向きに変化しています。
このように株価水準が切り上がっているにも関わらず、モメンタムが低下している状態も、上昇の勢いが低下していることを示すため、急落に対する警戒が必要な状態と考えることができ、高値掴みを避け、売り時を逃さないようにする必要があると考えられます。
モメンタムが示す意味とは?
株価が高値を更新しているにも関わらず、モメンタムが前の高い水準に届かず切り下がっている状態を「逆行現象」と呼び、警戒が必要だと前回のコラムで解説しました。今回のコラムでは、なぜ「逆行現象」は問題なのかを解説する前に、モメンタムが示す意味について具体的に解説したいと思います。
ポイントは、上昇や下落の勢いをどのように考えるかです。モメンタムでは、上昇や下落の勢いを一定期間の上昇や下落の値幅と考えています。
例えば、当日と10日前の値幅が+100円と+50円では、+100円の方の上昇値幅が大きいため、上昇の勢いは強いと判断します。
一方で、当日と10日前の値幅が-100円と-50円だった場合で、どちらの下落値幅が大きいかと言えば、-100円の方の値幅が大きいため、下落の勢いが強いと判断するわけです。
このように一定期間の上昇や下落の値幅を計算し、その結果を時系列で示したものがモメンタムになります。
計算式では、当日の終値-n日前の株価=モメンタムとなります。n日は、10日を使うのが一般的です。
では、このような考え方から逆行現象はどのような状態を表していると考えられるでしょうか。逆行現象を判断するポイントはモメンタムの水準にあります。次回、この逆行現象が示す意味について、詳しく解説したいと思います。