日経平均は高値を更新、5日移動平均線上を維持できるか?

ついに日経平均が2022年来高値を更新しました。これまで上値の抵抗となっていた28,300円前後の水準を、4月14日に窓をあけて一気に上回るとそのまま上昇が続き、4月18日には28,658円をつけ、年初来高値を更新しました。さらに、4月18日の終値は2022年8月22日以来の高水準となっています。

ようやく上値の抵抗を超えてきており、このまま株価水準を維持できるのか、あるいは、過去の値動きと同様に反落し、28,000円前後の水準に戻ってしまうのか気になるところです。

そこで、移動平均線から見たトレンドについて考えてみましょう。株価は高値を更新するとともに5日、25日、75日、200日と全ての移動平均線が上向きとなっており、上昇トレンドが継続中と考えられます。

そのため、上向きの5日移動平均線上を株価が維持できれば、これまで上値の抵抗となっていた28,300円前後の水準を上回ったままで推移するとともに、2022年8月17日につけた高値水準に接近したり、上回ったりすることが視野に入るのではないかと思われます。

一方で、5日移動平均線を下回って戻せなくなるようですと、25日移動平均線との乖離率が大きいことから、4月13日と14日にあけた窓を埋める水準あたりまで反落したり、25日移動平均線を割り込んだりすることが視野に入るため、高値掴みには注意が必要になるとともに、売り時を逃さないようにする必要があると思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

モメンタムの低水準は何を示すのか

では、次に上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょうか?モメンタムは、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回って推移しているのが分かります。

ただ、モメンタムの水準を見ると、0ラインに近いところにあり、過去の高水準には全く届いていません。株価は高値を更新しているにも関わらず、上昇の勢いは低水準のままとなっているのです。

このように、株価は高値を更新しているにも関わらずモメンタムの水準が過去の高い水準に届いていない現象のことを「逆行現象」と言い、株価上昇の勢いが弱いことを示していることになります。

株価が高値圏にあるにも関わらず、上昇の勢いが鈍いことから急落や反落に対する警戒が必要な状態と考える必要があるのです。

次回のコラムでは、なぜ逆行現象が反落や急落に対する警戒が必要と考えられるのか、実際の株価動向と合わせて検証したいと思います。