【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,786.62  ▼110.39 (4/20)
NASDAQ: 12,059.56  ▼97.67 (4/20)

1.概況

米国市場は冴えないテスラ(TSLA)やアメリカン・エキスプレス(AXP)の決算発表を受けて企業業績悪化への懸念から下落となりました。156ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に219ドル安まで下落した後下げ渋ると午後に21ドル安まで持ち直す場面もありましたが、戻し切れないと取引終盤には朝方に付けた安値近辺まで再び下落しました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが上値は重く結局110ドル安の33,786ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も97ポイント安の12,059ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5000件増の24万5000件と市場予想を上回り悪化しました。4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数もマイナス31.3と前月から低下し市場予想を下回りました。また、3月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比2.4%減の444万戸となり市場予想を下回りました。3月の米景気先行指標総合指数も前月比1.2%低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が下げ、一般消費財・サービスと不動産が1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

通信大手のAT&T(T)が決算でフリーキャッシュフロー(FCF)が市場予想を大きく下回ったことが嫌気され10%安となりました。同業のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も連れ安となり3%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。また、決算が大幅な減益となったことでテスラが急落し10%近く下げています。ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター(F)にも売りが波及し、ゼネラル・モーターズが3%安となり、フォード・モーターも3%近く下げました。さらに決算で1株利益が市場予想に届かなかったアメリカン・エキスプレスも1%安となっています。一方で決算を発表した半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)が今後の業績回復を期待した買いで7%を超える上昇となりました。同業のアプライドマテリアルズ(AMAT)やKLA(KLAC)にも買いが波及し、アプライドマテリアルズが3%を上回る上昇となり、KLAも4%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は低調な経済指標が相次いだことで0.06%低い3.53%となりました。ドル円は134円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)