先週の上海総合指数と深セン総合指数は大幅上昇となりました。先週の1番大きな材料としてはHSBC発表の12月製造業景況感指数(PMI)の速報値が50.9となり、11月の確報値の50.4から上昇した上、2ヶ月連続して景況感の境目となる50を越えたことで、中国経済の回復が軌道に乗っていることがより確実視されてきたことがあります。12月14日(金)の上海総合指数は+4.3%もの大幅高となり、一日での値上がり率としては2009年以来、一番の大きさでした。

前回、11月の中国の経済指標をお伝えしましたが、毎月の推移を改めて振り返ると、鉱工業生産、消費、物価が着実に月を追って伸びてきており、貿易統計も改善してきています。また国内の電力消費量は景気に合わせて夏ごろに落ち込んでいたのですが、直近2ヶ月は大きく拡大してきており、11月は今年最大の伸びを示しています。これらを見る限り、中国経済は第3四半期をボトムに回復していることが明らかになりつつあると思います。投資家の大半が個人投資家である上海総合指数もようやくそれを織り込みだしたところと言えるでしょう。

現在の中国経済の牽引役はインフラ投資による内需拡大です。国家発展改革委員会(NDRC)が9月に発表した声明では、年初来で総投資額約1560億米ドル(1米ドル=6.24元で計算すると約9734億元)の新たな鉄道などのインフラプロジェクトが承認されたとありましたが、これが中国経済の牽引役になっていると思います。そして消費者物価指数が落ち着いていますので、以前から指摘している通り、中国はインフラ投資による景気回復を今後も一層強めていくものと予想します。そう考えると、建設機械銘柄や鉄道設備銘柄、ゼネコン、セメントなどの資材関連が引き続き注目されることになると思います。