東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。123円安の27,175円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に下げ幅を縮めまもなくしてプラスに転じると昨日の終値を挟んでもみあう展開となりました。しかし、10時30分頃から買いが優勢になると30円高の27,329円で前場を終えました。74円高の27,373円でスタートした後場の日経平均は上げ幅を三桁に広げ12時40分過ぎに174円高の27,473円まで上昇しました。その後伸び悩み上げ幅を縮めましたが堅調に推移すると結局95円高の27,395円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

スズキ(7269)が5.6%高となりました。傘下のインド自動車大手マルチ・スズキが2022年10-12月期の純利益がコストの改善などから前年同期比で2.3倍となったと発表したことで買いが優勢となりました。大日本印刷(7912)も14.8%高となりました。著名アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントが株式を大量取得し第3位の大株主になったと伝わったことで買いを集めました。日本製鉄(5401)も4.5%高となりました。米エクソンモービル(XOM)と三菱商事(8058)とともに国内製鉄所から発生する二酸化炭素(CO2)を海外で地下貯留するプロジェクトに乗り出すと伝わったことで、脱炭素の取り組みを評価する買いが入りました。

一方で第3四半期決算を発表した日本電産(6594)が5.4%安となりました。中国のゼロコロナ政策による経済の減速などの影響を受けるうえ、欧州の車載向けモーターの在庫調整などで構造改革費用を計上することなどから通期の営業利益の見通しを2100億円から1100億円に下方修正し一転して減益になる見込みとなったことで売りが膨らみました。ディスコ(6146)も3.5%安となりました。電気自動車や産業機器などに使うパワー半導体の需要好調を受け装置の引き合いが伸びていることなどから第3四半期の営業利益は前年同期比で25.1%増となりましたが、会社計画に届かなかったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は95円高となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなかで昨日までの3日間で900円近く上げていたこともあり利益確定の売りが出て下落して始まりました。しかし、75日移動平均線(27,190円)をサポートに切り返すと買いが優勢となり、後場に入って上げ幅を三桁に広げる場面もありました。そのためマーケットの先高期待は高いといえそうで、徐々に本格化する決算発表を支えにどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後には富士通ゼネラル(6755)やジャフコ グループ(8595)などが決算を発表する予定です。また、25日の米国でもボーイング(BA)やIBM(IBM)、テスラ(TSLA)、ラムリサーチ(LRCX)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)