東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。244円高の27,150円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると10時50分過ぎに453円高の27,359円まで上昇し433円高の27,339円で前場を終えました。465円高の27,371円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに474円高の27,381円まで上昇した後伸び悩みやや上げ幅を縮めましたが高値圏で推移すると結局393円高の27,299円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)が3.8%高となりました。ホンダ(7267)と2023年中に電気自動車用電池を開発する共同出資会社を設立すると発表したことで将来的な収益への貢献を期待した買いが入りました。パソコン周辺機器メーカーのメルコホールディングス(6676)も8.2%高となりました。製麺を手がける完全子会社のシマダヤを資本関係のない独立した会社にする「スピンオフ」の仕組みを使い東京証券取引所へ上場させる準備を始めたと発表したことを材料視した買いが入りました。

また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前週末比5%高となったことで日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時4.3%高、SCREENホールディングス(7735)が一時4.2%高、アドバンテスト(6857)が一時4.8%高、SUMCO(3436)も一時4.4%高となりました。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがオリエンタルランド(4661)やライフコーポレーション(8194)で、オリエンタルランドが目標株価の引き上げを受けて一時3.4%高となり、ライフコーポレーションも投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.9%高となりました。

一方でしまむら(8227)が3.5%安となりました。気温の上昇により年明け以降に冬物全般の動きが鈍くなったことで1月度のしまむらの既存店売上高が前年同月比でほぼ横ばいに止まったことで大幅安となりました。亀田製菓(2220)も一時3.7%安となりました。オーガニック原料を使ったクラッカーを手掛ける米国子会社の収益が原材料の高騰やインフレによる賃金上昇により悪化したことなどから通期の営業利益の見通しを50億円から35億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は393円高となりました。決算発表を控えたハイテク株に買いが入ったことや、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ停止への期待も出て昨日の米国市場が上昇となったことで続伸となり、節目の27,000円を上回り上げ幅を広げました。そのため先週の金曜日に25日移動平均線を回復したのに続いて、本日は一目均衡表の雲の下限(27,062円)や75日移動平均線(27,184円)に加え、200日移動平均線(27,225円)も超えてきました。上値抵抗線として意識されやすい水準を次々と抜けてきたことからさらに戻りを試すとの見方も増えそうで、3月決算企業の第3四半期決算が徐々に本格化するなかでここからどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後には日本電産(6594)やディスコ(6146)などが決算を発表する予定です。また、24日の米国でもマイクロソフト(MSFT)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、スリーエム(MMM)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)