今週最大の注目イベントは17~18日の日銀の金融政策決定会合である。前回12月に続いて政策変更があるかが焦点だ。先月に長期金利の許容変動幅の上限を0.5%としたが、前週は長期金利の指標となる新発10年債利回りが一時0.545%に上昇、すでに上限を超えた。今回の会合のメインシナリオは現状維持だが、無論、2回連続のサプライズの可能性も残る。
ただ、どちらになっても債券相場は乱高下した後、一旦、買い戻しが入るだろう。為替市場で進んできた円高もそれに伴って一服すると思われる。株式相場も押し目買いが入りそうだ。ただ、金融政策決定会合の結果が出るまでは動けない。それまでは円高がさらに進む可能性が高く、株式相場は堪えどころである。
今回、現状維持となった場合でも日銀は今後の物価見通しを上方修正すると見られており、その場合はさらなる政策変更、そしていずれはYCC撤廃の思惑が高まり、早晩再び国債売りが加速するだろう。日銀は大幅に国債買い入れ額を増やして投機筋に対抗しているが、上限を引き上げるのは、いたちごっこになるだけである。政策変更するならYCCそのものを撤廃することだ。
今週は経済指標の発表が多く予定されている。16日には企業物価指数、工作機械受注、中国では鉱工業生産、小売売上高、米国ではNY連銀製造業景気指数が発表される。18日には機械受注、12月の訪日外客数、米国では生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産、地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される。19日には貿易収支、米国では住宅着工件数、フィラデルフィア連銀景況指数、そして20日には全国の消費者物価指数が発表になる。
米国企業の決算ではゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの金融が17日、航空会社ではユナイテッドが17日、アメリカンが20日に発表されるほか、19日発表のネットフリックス、プロクター・アンド・ギャンブルにも注目したい。
日本では目立った決算発表がなく、やはり今週は日銀会合が最大の相場材料である。
予想レンジは2万5500円~2万6500円とする。