今週はクリスマス休暇で市場参加者が少なく、手控えムードの強い展開となろう。本来であれば「掉尾の一振」を期待した個人投資家の動きが活発になるところではあるが、先週の日銀の政策変更によるサプライズが相場の地合いを悪化させており、盛り上がりに欠けるだろう。見るべき経済指標もほとんどないが、唯一の注目材料は28日に公表される日銀金融政策決定会合の「主な意見」だ。日銀が緩和策を修正した19-20日の政策会合の内容が明らかになる。今後のさらなる政策変更の可能性を探る意味からも注目されるだろう。
そうしたなか、久しぶりに大きく動いた日本の債券市場がどうなるかが、ひとつのカギを握る。先週の長期金利は一時0.48%まで上昇した後は買い戻しで0.37%程度に低下した。日銀の政策変更を受けた売り圧力は一巡しただろう。無論、まだ売り買い交錯するだろうが、現状は0.50%が上限なので、この年末にきてそこまで無理矢理売り込む必要もないだろう。年明け5日には10年国債入札が実施される。表面利率の上昇を好感した投資家からの応札でタイトな結果となるだろう。そうしたことから長期金利が安定的に推移すれば、株式市場にも冷静さが戻ることが期待される。
先週末時点で日経平均のバリュエーションは、PERが12.2倍、PBRは1.10倍だ。この状況ではほぼ底値と言える。従って、これ以上のダウンサイドは考えにくい。もしも下に突っ込むようなら、今年最後の拾い場になるだろう。
今週の日経平均の予想レンジは2万6000円~2万7000円とする。